生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

ほんの少しおすそ分け

2008-07-02 19:02:38 | 日記

祈祷会で、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)からワーカーとしてネパールの病院に派遣されているN先生からお話を聞きました。
ネパールといえば、ヒマラヤ、高原地帯、と考えていましたが意外と平地が多いことを知りました。病院が少なく、とくに地方では病院へ行くまで何日もかかるそうです。道路は車が走れないのでたいていは病人を背負って運ぶそうです。背負い籠に入れられ、担がれている女のひとの写真が印象的でした。

人口10万人当たりの医師の数が、日本では198人ですが、ネパールでは21人。入院しても病院では食事が出ないため、鍋釜持参で来る人もいるそうです。
日本でいえば『おしん』の時代のように貧しいのですが、写真に写っている子どもたちの顔は生き生きとしていました。

JOCSからネパールに派遣され、結核・癩(らい)・マラリア・コレラ・天然痘・赤痢等の伝染病治療と予防、そして栄養改善のために働かれた故岩村昇氏の書かれた「共に生きるために」という本の中の一文を読んでいただきました。感動で胸が熱くなりましたので内容を紹介します。(聞き書きなので正確ではないかもしれません)


著者が地方を巡回している時、重い結核患者のお婆さんが倒れていました。入院治療が必要ですが、病院まで運んでくれる人がいません。困り果てている時、通りかかった青年がお婆さんを背負って3日もかけて運んでくれました。お礼を差し出すと、「金儲けのためにしたのではありません。ともに生きるためにしたのです。自分に余っている体力をお婆さんにほんの少しおすそ分けしただけです」と言って受け取らず山へ帰っていきました。


ネパールの人たちは、物質的には貧しくても、心が豊かなのだなあと思いました。現代の日本で失われてしまったものを持っていますね。「時は金なり」の考えではなく、人のために時間や労力捧げて共に生きることを実践しているのです。

JOCSでは、貧しく弱い立場におかれた人々のために活動が行われています。古切手を送るとコレクターの方に買われ、一箱一万円になるそうです。使い損じのハガキや外国のお金なども換金されるそうです。今日から古切手を集めることにしました。
JOCSのHPに送り先などが書かれています。

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