Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

色々と考えさせられた試合(33節仙台戦)

2019-12-01 21:44:09 | マッチレポート19'



先ほど仙台から帰宅。帰りにJヴィレッジでユースOBの鷺原くんの応援をしてから今季最後の遠征を締めくくりました。今季は6勝7分5敗(カップ戦含む)という現地成績。本当に素晴らしいシーズンを過ごさせてもらいました。


試合自体は微妙なところが全て相手に好転して結果として負けてしまったわけだけど、大分が現在置かれている状況や33節という時期を考えると大きな問題を感じるものではなかったと思う。

この試合を語るうえで仙台・渡邉監督の試合後コメントは避けては通れない。完全に引き切った上でセットプレーかカウンターで点が取れれば儲けもの(それで全て取られてしまってるのはうちとしては反省材料だけど)のサッカーに徹して死に物狂いで残留を勝ち取りにきた。J2から2位で勝ち上がってきたクラブ相手に自ら積み上げてきたものの全てを捨てて試合に臨むということの意味を包み隠さず語っている。そしてそれは仙台の目指すべき中長期的な未来についても語っているように聞こえる。ぶっちゃけ仙台の未来なんてどうでもいい。ただ我々が初めてJ1から降格した年に入れ替わりでJ1に昇格した仙台がそれから10年間もJ1の座を死守していて、震災のあった2011年こそ鮮烈な印象を残したけどそれ以外は正直パッとしない成績に終始しながらも生き残り続けていることに我々が参考にすべき部分が多々あると感じている。何が何でもJ1残留が目標だった今季はそれで良かった。ただ真ん中より上の順位で今季を終えた場合、来季以降は自然と目標は上を向くはずだ。そこで大事になってくるのはクラブが今度どこを目指しているのかということだ。予算だけで判断するのなら大分トリニータはJ2にいることが妥当なクラブだ。今は監督や選手の巡り合わせがガッチリと噛み合い抜群の費用対効果を生み出しているけど、これがいつまでも続かないなんてことは分かっている。それじゃ、この規模のままこの体制が続くところまで続けていくのか、このチャンスを逃さずクラブの規模を大きくしていくのか。どちらの道を選択しても簡単じゃない未来が待っていることは簡単に想像出来る。仙台が10年かけてある程度の成功を収めながらも未だに悩む「このままでいいのか」問題。果たして我々のクラブはどういうヴィジョンを描くのだろうか。

そういえば2016年に天皇杯で甲府を訪れた時に、有名なほうとう屋さんの店内に「J1 4年目!」と書かれた甲府のポスターが貼ってあったことを思い出した。甲府が1年1年を生き残るために必死でやっていることが、何のひねりもないコピーだからこそ逆に強く訴えかけてきた。J1に生き残ることは簡単じゃない。


試合については相馬監督の町田をさらに消極的にしたような相手と試合をしている印象だった。まさかあそこまで消極的だとは片野坂さんも想定していなかったのか、後半になってからやっと仙台対策をしてきたなと感じた。仙台は縦横ともにコンパクトに布陣を保ち中をガッチリと締める。そしてその重心は町田よりも遥かに後ろに重い。後半になってからそのコンパクトな布陣をバラけさせるためにサイドチェンジのパスを多用していたけど、もっと押し込んだ状態から逆サイドに振らなければコンパクトな布陣は乱れないだろうし、あれだけすき間なく構えている中にアーリークロスを入れ続けてもシュートに持ち込めるわけはないことに早めに気付いてほしかったけど、試合中に修正出来るほどの対応力は今の大分にはまだないと感じた。夏以降完全にレギュラーに定着していた小林裕と三竿が同時に不在だったことも少なからず影響はあったと思う。焦れずに我慢していれば負けることはなかった試合だと思うけど、あれだけミスをすればそりゃ見逃してくれない。目の前の選手にパスぶつけ過ぎだよ。





日本平で三竿が4枚目のイエローをもらってからこの日の左CBに誰が入るのかは色々な意見があった。しかし結果は羽田健人という誰もが予想しなかったであろう万馬券が答えだった。「ぶっつけ」という片野坂さんのコメントから来季を見据えた起用であることは明白で、庄司と岡野のレンタルバックはこれでかなり可能性が高まったと見るのが自然でしょう。これがJ1リーグの本番であることを考えれば羽田は十分過ぎるほどよくやったし、来季の戦力として期待してよさそうだ。ぎこちないながらも前線に顔を出そうという意図も見えたし、逆足ながらも丁寧にパスを付けつつ時折縦への狙いも見せていた。



仙台はやはり永戸勝也が印象に残った。特に前半は目の前でうちのストロングである右サイドにどん詰まりを発生させていて「さすが」の一言。仙台には申し訳ないけど、この選手をもうキープしておくのは難しいんじゃないかな。左SBという日本サッカー界が抱える慢性的な人材不足のポジションであることを考えるとそろそろ日本代表からお声がかかってもおかしくないと思ってる。



今季中の復帰は難しいかなと思っていた成豪が復帰即出場となったのは良かったんだけど、試合後サポーターへの挨拶をせずに足を引きずりながらドレッシングルームにそのまま下がっていったのがとても心配。ちょっとケガが多すぎるね。













さあいよいよラスト1戦。勝って有終の美を!
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