Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

反発力お見事(24節FC東京戦)

2020-09-17 13:48:27 | マッチレポート20'
この試合を評するにあたってはやはり11日前の試合と絡めてする必要があると思うんだよね。今シーズンは5連敗もしたし、スコアだけならもっと悪い試合はあったけど、個人的にはホームFC東京戦が今シーズンここまでのワーストゲームだと思っていた。試合の進め方に意図を感じないから見ていてもつまらないし、本当にフラストレーションしか残らない試合だった。それを取り返すのがこのアウェイゲームだったとすれば11日後という新鮮な状態でまたやれたのはいいタイミングだったのかもしれないね。そしてその低調な試合からの見事な反発力を見せてくれたと思う。素晴らしい内容だった。


まずはメンバーに大きな変更があった、というよりも連戦で変更せざるを得なかったのかもしれない。毎試合変わる前の3枚は置いといて、不動の3バックも両脇に小出、香川が入った。香川は体もそこまで強そうには見えないので、FC東京の屈強な外国籍選手とやり合えるのか心配だったけど、空中戦では何度か吹っ飛ばされたりしつつも、しっかりと体を寄せてよく対応してた。ボランチは前田と島川。ずっと出てる島川は強度高く、そして時折縦方向へのパス(19分の縦パスvery good!)も出して良かったと思うんだけど、復帰明け4試合目の出場となった前田からもついに完全復調が感じられた。解説の福田さんも絶賛してたけど、恐がらずにボールに多く関与してFC東京の強力なプレッシングを外すためのキーマンとなっていた。そして両翼。怜さん&薫さんがチョイスされて、普通に考えれば怜さん右、薫さん左だったと思うし、実際に昨シーズンの夏に達也が加入してくるまではその組合せがファーストチョイスだった。そこをこの試合では左右入れ替えた。そして左で起用された怜さんが中に進行方向を取りながら相手ボールを奪取してそのまま右足で放ったシュートが先制点になるんだからちょっとビックリしちゃうよね。この起用の意図の部分はトリテンあたりで出てくるかもしれないので楽しみに待ちたい。いやお見事。あとは小塚かな。浦和戦以来半月ぶりの出場。ボールの受け方、パスの精度等こんなにお休みさせるのがもったいなくなってしまうくらいのパフォーマンス。前線のポジション争いは厳しい。


そしてやっとやっと野村がベンチ入り。移籍が決まった時には「あー、あの野村ね」くらいの印象しかなったんだけど、それからひょんな時に2019シーズンのJ2総括みたいな記事を読んでて昨シーズンの野村がJ2でどれだけ突出した存在だったかを知って一気に楽しみになってたんだけど、そこからが長かった。本人のコメントを読むとこの3ヶ月は膝のケガだったみたいだね。原因不明ってのと、まだ膝にテーピングをしてるのが少し心配だったけど、復帰戦でいきなりの好パフォーマンスはさすがと言わざるを得ない。特に2点目のアシストの際の仕掛けがいい。多分素走り的なスピードは特筆するほど速くはないんだろうけど、助走なしの最初の1、2歩でクロスを上げるスペースを作ってしまったフェイントには思わず声が出てた。あのクロスに三竿、伊佐、達也と3枚が飛び込めるようになっているのにチーム状態が上がってきていることを感じるわけだけど、崩しは野村の個の部分。開幕戦を含めても出場時間はまだ45分にも満たない。これから出場機会が増えればまだまだ色んな顔を見せてくれそうだ。前段と同じ〆の言葉となるけど、いやぁ前線のポジション争いは厳しい。


仙台戦の前半に続き、この試合も前半はテンポよくプレッシャーを回避してしっかりとボールが回せた。何がよくなったのだろうか。ボールは回ったとは言え、前半のシュート数が少ないのは相変わらず。ただあれくらいプレッシャーをうまく回避出来るとチームにリズムが生まれる。2点目のゴールは相手スローインのボールを奪ってからゴールまでの間に最後の達也のシュートも含めると7回もワンタッチプレーが入っている。あれだけワンタッチプレーが出来るのはやはり距離感がよくリズムもチーム全体で共有出来てたからだと思うんだよね。出しどころに困るようなプレーがほとんどない。あとはポジショニングの改善や相手とのかみ合わせももちろんあるけど、単純にこの2連戦はよく足も動いていたと思う。それとこの2試合はペナ脇のエリアまでスムーズに侵入出来ている。そこからボールホルダーを追い越すプレーがあったり、ボールホルダーが単純に縦や中へ仕掛けるプレーもあり、逆足でのクロスもありと引き出しが確実に増えているのを感じる。それが2試合連続3得点という結果にも表れている。ここは継続していきたい部分。


試合が始まる前は正直に言って内容に改善が見えればドローで御の字と思ってた。それは単純にFC東京が強いのと相性の悪さも間違いなくあると思ってたから。先制点は良かったけど、追いつかれた時に残り時間も考えると勝ち点持って帰るのは厳しいかなと思ったし、実際にそこから10〜15分は苦しい時間帯だった。しかし仙台戦同様そこからもう一度盛り返す力を見せるのがここ2戦の素晴らしいところ。3−1のまま終わっていれば本当に強者の勝ち方だったけど、最後のFC東京の勢いを見せられたら3点目取っとけて本当に良かったと改めて思うよね。まあFC東京は普通に強いよ。若手もバランスよく使ってしっかりと戦力にしながら今の3位というポジションをキープしてるのは賞賛に値する。同点ゴールのきっかけとなった品田の縦パスの差し込み方とかセンスあって好きだし、何よりもラスト5分の本当に食われちゃうんじゃないかと思うくらいの勢いで攻め込んでくるパワーには圧倒された。凌げて本当に良かった。


イサスタの中で三竿が「やっと大分に帰れるね」って言ってたのが印象的だった。仙台から東京へ直行したメンバーは多分5泊6日の行程だったと思われ、やっぱり遠征って肉体的にも精神的にも疲労するんだろうね。あの一言にそれが凝縮されてたように思う。アウェイ2連戦での勝ち点6ゲットは本当にお見事。お疲れさまでした。休む間もなくまた週末にすぐ試合だけど、しっかりと休んで3連勝やったろうぜ!
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