Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

浦和について

2021-12-16 22:17:28 | トリニータ



今週4回目の更新でやっと対戦相手の浦和について触れていこうと思う。何と言うか、試合前に対戦相手の直近の試合を観てイメージを膨らませるという作業を今季全くやってこなかった、やる気にならなかったからこの感覚本当に久しぶり。やっぱり一番参考になるのは準決勝のセレッソ戦なんだけどこれがハイライトしか観られず、それプラスリーグ戦の36節マリノス戦(2-1◯)、37節清水戦(0-1×)、38節名古屋戦(0-0△)を観た。

〜浦和の先発予想〜
直近の対戦がもう約半年前なのであの時とはもう別のチームと思っといた方がいいね。酒井とかショルツとか初対戦の選手もいるし。まずはメンバー。スタートから間違いなく来るのはGK周作、CB岩波とショルツ、右SB酒井、2列目右関根、1TOPユンカー、ここまでかな。直近の4試合だけでもメンバーが固定されていなくて非常に読みにくいのは、ケガの影響なのか、リカロド監督が色々とチームを模索している最中なのかは分からない。ボランチは柴戸&伊藤敦樹が最有力だと思うけど、サリーダでビルドアップするなら平野佑一の選択肢もありそう。左の縦ユニット(SBと2列目)についてはもう候補が多すぎて予想は困難。ユンカーのパートナーは江坂が最有力だろうけど、小泉も面白い。結局準決勝のスタメンをベースにいじるなら左のユニットの変更があるくらいというところかな。ということでこんな予想。左SB明本はきたら嫌だなという思いと、やはりサイドの関根は脅威。

(どうよ、このアナログ戦術ボード。けっこう見やすいと思うんだけど。)

あと、良い意味でも悪い意味でも小泉がキーマンになりそうな気がしてならない。先発予想にはしなかったけど、早めに投入してほしいなとは思っている。



〜浦和の戦術〜
基本戦術も難解。平野がスタメンだった37節清水戦では終始サリーダでビルドアップをしていたかと思えば、左SBで明本が先発した最終節名古屋戦では左肩上がりの3枚(右から酒井-岩波-ショルツ)でビルドアップをしていくという非常に読みにくいやり方。小泉や江坂が下りてきてビルドアップに参加して真ん中を最短距離で破っていく攻撃もあれば、サイドで関根に1対1をやらせるシチュエーションを作り出したりと狙い所が絞りづらくバランスが非常に良いと感じる。基本はボール保持型で相手攻撃時には出来る限り高い位置で奪いたいという意図を感じるけど、早くに奪い返したいみたいのはなさそう。

片野坂さんも同じように試合を観てどういうやり方で臨もうか頭を悩ましているところだと思う。直近の試合で浦和が最も良かったのは36節マリノス戦。最初の10分はマリノスの圧力に11人全員が自陣ゴール前に張り付かされていたけど、スピード感に慣れるとそこからは押し気味に試合を進めていて、マリノスのようなハイライン、ハイテンションフットボールとは相性が良さそうだなと感じた。ただ7月に我々が勝った試合を思い返すと、周作からサイドに付けられたボールを高い位置から狙いに行き、ショートカウンターを完遂させたゴールが決勝点となっていて現在感じる浦和の印象とのギャップに少々戸惑う。浦和の保持率が高かった清水戦や名古屋戦ではなかなか決定機を作り出すことが出来ずに特に清水戦では最後の最後で完全に集中を切らして勝ち点を全て捨てるという最低の試合をやっているので、大分としても基本は川崎戦のようなやり方で臨むのがいいのではないかと思う。先にも書いたけど7月頃の浦和ではないことは間違いないので、対戦相手へのリスペクトという名のシンプルタスク型の戦い方でいってほしい。



〜浦和の監督〜
続いて「片野坂監督 VS リカロド監督」の切り口で見てみる。

2017年 J2リーグで片野坂監督2敗
2018年 J2リーグで片野坂監督2敗
2019年 対戦なし
2020年 対戦なし
2021年 J1リーグで1勝1敗

多分これで全部だと思う。そして今季3度目の対戦が天皇杯決勝の舞台。片野坂さんもJ2の頃はスペイン系の監督を明らかに苦手にしているところがあったけど、直近ではロティーナにもリカロドにも勝ってるしもうそのレベルは克服したと見ていいと思う。片野坂監督の指導を受けた浦和の選手は田中達也、リカロド監督の指導を受けた大分の選手はノムのそれぞれ1名ずつ。ただここ2週間のメンバー外を考えると今週もノムはいないと考えておいた方がいいかも。ただ達也もマリノス戦では躍動していたけど、ユンカーが戻ってきて江坂をトップ下に回せると関根が本業のサイドに戻ってくるのでスタメンは難しいかもしれない。というより準決勝ではベンチにも入れていないので、準決勝が2-0と浦和として会心のゲームだったことを考えると決勝のメンバー入りも引き続き難しいかもしれない。

リカロド監督が作り上げる浦和というチームはこの半年でグッと成長しているように見える。J2時代に感じたその手腕の確からしさは浦和でも存分に発揮されていると言っていいと思う。直近の3試合を観た感想として、リカロド体制2年目となる来季は浦和はけっこういいチームになると思うということ。ただリカロド監督の浦和でのストーリーは始まったばかり。片野坂さんがここで大分にタイトルを残していくストーリーと比較すると、リカロド監督の浦和がここでタイトルを獲ることはストーリーとしてはどうしても弱いと感じてしまう。それはもちろん自分が大分のサポーターであるということによるところが大きいとは思うけど、それでも浦和がこれからどんどん良くなっていく未来をイメージした時にまだここではタイトルを獲れない方が美しいと思う。知らんけど。



〜まとめ〜
川崎戦の時に感じたことだけど、今季はもう何ヶ月も「勝たないとダメ」という状況で試合に臨んで自ら試合を難しくしてしまうことが多かった一方で天皇杯では「勝たなくてもOK」という状況で試合をしているので選手たちも心持ちが軽いんじゃないかと思うしタスクに集中出来ている感が伝わってくる。そしてそれは時間が経過すればするほど「絶対に勝てるはず」と思い込んでいる相手にとっては自動的にプレッシャーに繋がってくるわけでスタジアムの雰囲気が微妙に変わっていく状況を作り出せると思う。個人的な考えとしては決勝戦もアンダードック的な戦い方に徹していいように思うけど、どうだろう。片野坂さんラストゲームだけに勇敢に戦おうという選択をしてもおかしくはないと思っている。それで散ったとして、それはそれで美しい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする