Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

九州の誇り(10節鳥栖戦)

2019-05-05 10:01:07 | マッチレポート19'
24千人以上が入り大盛況となったゴールデンウィークの鳥栖との一戦(鳥栖サポーターさん、本当にありがとうございます!)に勝利し、再び我々が「九州の誇り」となった記念すべき日。栄枯盛衰、盛者必衰、紆余曲折、群雄割拠、ずっといい状態でいることが難しいことをJの中で最もよく知っているのは我々かもしれないけど、それでもまた再び「九州の誇り」となることが出来たことに本当に嬉しい思いがある。短期的な観点で見ても、残留争いのライバルからの勝利、大入りゲームでの勝利、藤本以外の得点パターンとこれをビッグゲームと言わずして何をビッグゲームと言うというくらいの大きな勝利だと思う。


阿道が完全にノって来た感がある。ゴール自体はややラッキーな面もあったかと思うけど、運動量の多さに調子の良さがうかがえる。前半から飛ばしすぎかなと思うくらいに相手のボールを追ってたけど、そのスプリントはアディショナルタイムまで衰えることはなかった。「調子の良い者のところにボールはこぼれる」を地でいく好調さだ。藤本が札幌戦で最後のゴールを決めてからこれで1ヶ月。ポッと出だと思っていた(思いたかった)他サポからすれば「藤本さえ抑えれば、大分なんて楽勝」が本音だったと思われる。その後の4試合でシャドーの阿道が3ゴール、小塚が1ゴールで2勝2分の負けなし。それぞれのゴールで藤本が黒子的なポジションで効いていることを考えると、対戦相手が本気で頭を悩ませるのはこれからだよ。


その小塚は大分移籍後初ゴール、自身のJ1初ゴールをまさかの頭で決めた。昨日は家族で新潟に出かけていてそのついでに小塚の母校である帝京長岡高校でプリンスリーグ北信越(帝京長岡−星稜)を観戦してきた。プリンスリーグ北信越は個人的に初観戦。プログラムは500円で関東の半額、ハーフタイムにはお菓子とお茶が配られる等至れり尽くせりの素晴らしい観戦環境だった。その小塚の母校を訪れた日に移籍後初ゴール、J1初ゴールを決めてくれたのは運命的なものを感じずにはいられない。






帝京長岡の試合を生で観たのは初めてだったけど、うまい選手が多いのに驚いた。もともとそういうチームだとは思っていたけど、その想像を遥かに超えていた。上から晴山岬、田中克幸、谷内田哲平の3人を筆頭に、最終ラインからテクニカルなドリブルで効果的に上がってくる4番、前線への飛び出し鋭い11番等本当にタレント揃い。ちょっとこれからも動向を追っていきたいチーム。


大観衆に選手たちの気持ちも昂ったのかいつもより少し前のめりだった印象を受けた。もどかしいくらいに前へパスを付けない前田も69分、76分といつもなら横にはたいてそうなシーンで前に付ける強気な姿勢を見せていた。それでいいと思ってるし、もうかれこれ1ヶ月以上ないビハインドのシチュエーションになった時でも存在感が発揮出来ると思ってる。さらにイサスタで発覚することとなった島川の「無駄なロングパスやめなさい問題」。そうだなと思うシーンがいくつかあるけど、間違いなくこれだと思うのは、小塚が村上主審とぶつかる直前のパスのことじゃないかな。高木の2枚引きつけパスが通って島川が前を向いて動き出せたところはチームとして「ハマった感」があったと思う。そこからいつも通りミドルパスを繋げていけば良かったと思うんだけど、島川は長めのパスを選択してミスとなった。まぁプレー自体はそんなに深刻なミスじゃないし、よくあることだと思うけど、コーチ陣と選手間でのやり取りを知れたことで、サポーター的には違った観点で試合を観られる、試合の評価、分析に深みを与えてくれるイサスタの存在って本当にデカいなと再認識した。たまに流れてくる練習の写真でもずっとスパイクを履いてないし、まだかかるんだろうなと思ってはいたけど、改めて正式に発表されるとつらいものがある。本人はもっとつらいだろうから生涯の伴侶とともにここを乗り越えてほしい。チーム状態がいい今だからこそ、J3からずっと引っ張ってきてくれたさんぺーと伊佐にJ1初ゴールを決めてほしいと願うサポーターは多いはず。人生は常に今から、待ってるぞ、伊佐耕平!


鳥栖は対戦してみてそこまでヤバそうな感じは受けなかったけど、数字だけを見ると危機的な状況。藤本の100倍の給料を受け取ってる選手が未だにたった1つのゴールですら取れていない上に、後半早々に交代。監督交代もまともに発表出来ないクラブの内情。まぁヤバいんだろうね。今までいい思いをしてきただろうし、いつ立場が逆転するか分からないわけだし同情する気持ちなんて微塵もないし、残留を争うライバルになるわけで叩けるうちに叩いておこう以外の気持ちは一切ない。ただ鳥栖のCROに就任したきっかけでその存在を知ったDOTAMAさんの試合後の動画はとても好きなので、彼のためにもたまには勝って違うパターンが見たい思いはある。


嬉しい思いがある反面、このままこのいい状態が続くわけはないという冷静な思いもある。リーグ戦のレギュラークラス以外の選手たちの台頭が絶対に必要な局面はやってくるはず。今では絶対的な選手になりつつある智輝も前田も去年の今頃は全く試合に絡めていなかったわけで、チャンスは必ず来ると信じて日々のトレーニングを頑張ってほしい。昇格の功労者の一人でもある馬場の移籍を示唆しているともとれるブログに象徴される通り、全員が報われるわけではないことは厳しくもあり、悲しくもあり。だからこそルヴァンのGS突破こそこのチームの状態を維持していくためにいま最も必要なことだと思ってる。それもリーグ戦のレギュラークラスの選手をポイントに配置するのではなく、ずっとルヴァンを戦ってきた選手たちで摑み取ることに大きな意味があると思ってる。8日の神戸戦はお客さんの数は鳥栖戦と比べて大幅に減るかもしれない。でもその一戦が持つ意味はチームにとって何ら変わりはない。一戦必勝。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする