Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

高橋大輔に教えられたこと

2013-07-29 23:52:47 | トリニータ
先日、高橋大輔の現役引退が発表された。無所属のまま復帰を目指すという覚悟を決めてのリハビリだったと思われるけど、その思いは叶わなかった。大分の在籍期間は4年間だったけど、何度も素晴らしいプレーや熱くなるシーンを見せてくれた。歴代の所属選手の中でもトップクラスに好きな選手だっただけに、引退の報は本当に残念だった。

でも今日書きたいのは、大輔の引退のことではなくて、鳥栖戦プレビュー。後半戦初戦の試合だけど、実質ラストチャンスだと捉えてる。鳥栖が現在の残留ライン上にいるクラブで、勝ち点差は6。残留争いは他のチームの結果あってのことだから、何とも言えないところがあるけど、負ければ残り16試合で勝ち点差9。さらにもう2チーム追い抜かなきゃならないことを考えると、もうちょっと厳しいでしょう。

個人的にこの2週間でどう変わってほしいかは、名古屋戦の記事で書いたのでここでは割愛。7月31日から8月31日までのジャスト1ヶ月で7試合をこなす、またもやハードスケジュールのJ1。初っ端の鳥栖戦で「チームが変わったところ」+「結果」で見せていかないと、大分を取り巻く雰囲気自体も変わらないだろうし、今まで通り、立て直せずにズルズルいってしまうのが容易に想像がつく。ここからは残り試合数との戦いでもあるし、「チームが変わったところ」+「結果」がなく、鳥栖戦後も田坂さんから「我々のやるべきことをやり続けるだけ」的な発言があれば、それはすなわち「終戦」だと個人的には捉える。

このプチ中断前最後の名古屋戦。1点差で試合終盤を迎えて、あの09年の伝説の逆転劇を期待したサポーターも多かったと思う。1点差なんて1分あれば、逆転出来るってことを実体験として知ってる身としては自然と期待しちゃってた。でも奇跡は起こらなかった。何で奇跡は起こらなかったんだろう、あの時と何が違うんだろうと思って、当時の自分の記事を読み返してみた。もちろんゴールを決めた高松や東慶悟は素晴らしいんだけど、それだけじゃなく、そこには大輔のことが書いてあった。この逆転ゴールに絡む一連の大輔の動きがもう一度観たくて、この映像をチェックした。1:20あたりから画面の奥側をすぅーと上がってく大輔の姿を観ながら、とあるシーンを思い出した。それは今季唯一勝利したアウェイ新潟戦の土岐田の決勝ゴールのシーン。あの時もピッチ上で動いてるのが唯一土岐田だけのよう見えるくらいに、土岐田は猛然と最前線まで走り込んだ。大輔も土岐田もどっちも90分を過ぎてからで、明らかに周囲よりも走ってる。

結局のところ、それくらいのことが出来なきゃ、それもそれを毎試合のように見せていかなきゃ、今のうちに活路は開かれないってことだ。このタイミングで大輔引退の報に触れて、そのことに気付かされたのは運命だとも思うし、深谷が言うように「今こそあの泥くさいガッツが必要」なんだって真剣に思う。

かつて所属した選手とのセンチメンタルな思い出に浸って、いいところばかりを美化してしまう傾向があることは否定しない。だってサポーターなんて楽しいことより辛いことの方がずっと多いし、そうやって永く一つのクラブを愛し続けていく術を身につけていく生き物だと思うし。

でもそれでも、今回の大輔引退の発表は今の大分に何かを気付かせるためのタイミングだったんじゃないかと信じて疑わない。都合がいいと言われようが、こじつけと言われようが、そう信じる。伝説の名古屋戦の大輔のような、新潟戦の土岐田のような、あんな観る者のハートを熱くしてくれるプレーこそが勝ち点を呼び込んでくるはずだ。もう絶対にそこ。魂が揺さぶられるような試合を期待してる。







と、ここまで書いておきながら鳥栖戦は月末最終日だけに、スタジアムはおろか、テレビ観戦はおろか、オンデマンドもまず無理というね。20時半ごろにはのぞけるであろう速報を見るのが、もう今から恐いね。
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