唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
標準レンズ考(上)
標準レンズとは云っても今どきのことなので、勿論標準ズームレンズの事である。最上中のプロ機を除いてはどのメーカーもDSLRボディと標準ズームレンズをセットした「レンズキット」と呼ばれるお買い得なセットを用意している。
Nikon(ニコン)の場合にはこんな感じである。
★D3100レンズキット
Body + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
★D3100ダブルズームキット
Body + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
+ AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
★D5100レンズキット(2種類)
Body + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
Body + AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR
★D5100ダブルズームキット
Body + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
+ AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
★D7000レンズキット(2種類)
Body + AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6G ED VR
Body + AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
★D300sレンズキット(2種類)
Body + AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
Body + AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
注:ニコンのサイトによれば後者は「旧製品」との表示あり。
★D700レンズキット
Body + AF-S DX NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
参考:「寿限無寿限無」のように長いニコンのレンズ名は次のように読み解く。
1. AF-S:超音波モーター内臓のオートフォーカス(AF)レンズ
2. DX:APS-Cサイズのイメージセンサー搭載機専用レンズ
この表示のないものはFX、つまりフルサイズのイメージセンサー用
搭載機及びフィルム用のF6、F5、F100などで使用可能なレンズ。
勿論DXセンサー搭載機でも使えるが、その場合のレンズの画角は
焦点距離が1.5倍のレンズの画角と同じ、つまり1.5倍望遠寄りと
なる。
3. NIKKOR:ニッコールと読む。ニコンのカメラ用及び工業用レンズの名称
少数だがNIKKORと名乗らないレンズも存在する。
4. 18-55mm:焦点距離を示す。この場合は18mmから55mmの
ズームレンズを示す
5. f/3.5-5.6:レンズの明るさを示すF値。この場合は焦点距離によって
3.5から5.6まで変化することを示す
6. G:CPUを内蔵し距離データをボディ側と通信するタイプのレンズで
かつ絞り環がない(ボディ側から操作する)タイプであることを示す。
7. VR:Vibration Reductionの略で手振れを補正する機構を内臓
していることを示す。
上記のリストから、ニコンには18-55mm、18-105mm、18-200mm、18-85mm(以上、DX専用)、28-300mm(FX用)と5本の標準ズームレンズがラインナップしていることがわかる(実はこの他にも24-70mm f/2.8と24-120mm f/4 VR、云う高価だが素晴らしく高性能(特に前者)な標準ズームレンズもある)。
前置きが長くなったがここからが本題である。標準ズームに何を選ぶかと云う話なのだが、SLR(一眼レフ)はボディとレンズを別々に買うことが出来るのが特徴の一つであるから、上記のリストにあるレンズキットを買わなければならないと云うことは、まったく無い。だから上記のリストにある(FX用を除く)
18-55mm f/3.5-5.6G VR
18-105mm f/3.5-5.6G ED VR
16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
の4本のレンズから好きな一本を組み合わせて使うことが出来る。ただし、上に書いた順で価格は上昇する。取り分け18-55mm f/3.5-5.6G VR付のキットは、ボディのみとほとんど同じ価格で売られているケースが多いので「お値打ち感」が強いし、軽量コンパクトでかつ、価格の割には実に高性能なので、予算に限りがある場合には、それはそれで良い選択と云えるのだが、次の事を覚悟しておくとよい。(明日に続く)
P.S. 実はこの記事、6月初旬に書き出してA4で3枚程書いたところで「ボツ箱」入りになっていたものを、何となく引っ張り出して補筆したものです。後半に同じ程度の分量を書いて完結のつもりではいるのですが、上手い落としどころを見つけることが出来るかどうか、ちょっと心配です。そう云う意味で連載物は、書いていてちょっとスリルがあって、ちょっとコワイけど、落としどころを考えながら書くのがちょっと楽しみでもある、「コワ楽しい」なんです(^^;。