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『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』 スティーヴン・スピルバーグ監督 ☆☆☆★
ご存知、インディアナ・ジョーンズ・シリーズの三作目をDVDで再見。私はこのシリーズのトリロジー・パッケージを持っているのである。なつかしい。
この三部作は典型的なアミューズメント・パーク型娯楽映画である。老若男女愉しめる。家族で愉しめる。エロなし。残酷場面なし。適度にハラハラさせ、適度に笑わせ、適度にこわがらせる。こういう予定調和は一歩間違うとたちまち陳腐になってしまうもので、高品質な作品を生み出すには職人芸とセンスの良さが要求される。そういう意味で、当時のスピルバーグの王道を行くサービス精神はやはり傑出していたと思う。当時、映画館に行って新作のインディ・ジョーンズを観る時のワクワク感は他の追随を許さないものがあった。
私が思うに、本シリーズを支えたスピルバーグのセンスの良さとは、アドベンチャーもののセルフ・パロディ気味の作劇を導入し、しかも完全なギャグになる一方手前でこらえたその絶妙のさじ加減にある。パロディと王道両方の愉しみ方ができる。全篇にわたってかなり笑えるおふざけ満載の映画でありながら、インディは爽快でかっこいいヒーローであることを止めない。過剰なまでにクリフハンガーを盛りこみ、「んなわけねーだろ!」と突っ込まれることを織り込んだ上で、それをギャグとして機能させ、同時にハラハラドキドキを倍増させている。実際、ここまで徹底してクリフハンガーを盛り込んだアクション・アドベンチャー映画は他にないのではないか。
さて、それに加え、この『最後の聖戦』ではインディとその父親・ヘンリー・ジョーンズの親子コンビの掛け合いが最大の見どころになっている。三作目にして初登場のヘンリー・ジョーンズを演じるのは名優ショーン・コネリー。このコネリーとハリソン・フォードのやりとりが実にいい。助けに来たインディの頭をツボで殴りインディの頭よりツボの方を心配するヘンリー、というギャグに始まり、手帳をこの場に持ってくるほど息子を馬鹿と思うかとナチを罵倒するヘンリーの隣で困るインディ(実は持ってきている)、縛られた椅子から脱出しようとして火事を起こしてしまうヘンリー、など、面白い場面続出である。インディが飛行船からナチ高官を投げ落とすシーンもおかしいし、そこから空中戦につながる流れもいい。
後半はナチの戦車が出てきて砂漠の戦闘場面となるが、あそこから終盤にかけてはちょっと前二作よりテンション低いかな、と思う。前半の方が面白い。ただ最後に出てくる、聖杯に到達するための三つのチャレンジはなかなか凝っている。
最後は夕日に向かって馬を駆る4人の男たちのシルエットで幕。それにしてもあの場面を見ると、やはりインディ・ジョーンズのルーツは西部劇なんだなあ、と感じる。一作目の『レイダース』について、この作品を象徴するカットはインディが馬から並走するトラックに飛び移る絵だとどこかでスピルバーグが言っていた気がするが、馬を駆って疾駆するワクワク感こそがこのシリーズの屋台骨なのだと感じる。
ご存知、インディアナ・ジョーンズ・シリーズの三作目をDVDで再見。私はこのシリーズのトリロジー・パッケージを持っているのである。なつかしい。
この三部作は典型的なアミューズメント・パーク型娯楽映画である。老若男女愉しめる。家族で愉しめる。エロなし。残酷場面なし。適度にハラハラさせ、適度に笑わせ、適度にこわがらせる。こういう予定調和は一歩間違うとたちまち陳腐になってしまうもので、高品質な作品を生み出すには職人芸とセンスの良さが要求される。そういう意味で、当時のスピルバーグの王道を行くサービス精神はやはり傑出していたと思う。当時、映画館に行って新作のインディ・ジョーンズを観る時のワクワク感は他の追随を許さないものがあった。
私が思うに、本シリーズを支えたスピルバーグのセンスの良さとは、アドベンチャーもののセルフ・パロディ気味の作劇を導入し、しかも完全なギャグになる一方手前でこらえたその絶妙のさじ加減にある。パロディと王道両方の愉しみ方ができる。全篇にわたってかなり笑えるおふざけ満載の映画でありながら、インディは爽快でかっこいいヒーローであることを止めない。過剰なまでにクリフハンガーを盛りこみ、「んなわけねーだろ!」と突っ込まれることを織り込んだ上で、それをギャグとして機能させ、同時にハラハラドキドキを倍増させている。実際、ここまで徹底してクリフハンガーを盛り込んだアクション・アドベンチャー映画は他にないのではないか。
さて、それに加え、この『最後の聖戦』ではインディとその父親・ヘンリー・ジョーンズの親子コンビの掛け合いが最大の見どころになっている。三作目にして初登場のヘンリー・ジョーンズを演じるのは名優ショーン・コネリー。このコネリーとハリソン・フォードのやりとりが実にいい。助けに来たインディの頭をツボで殴りインディの頭よりツボの方を心配するヘンリー、というギャグに始まり、手帳をこの場に持ってくるほど息子を馬鹿と思うかとナチを罵倒するヘンリーの隣で困るインディ(実は持ってきている)、縛られた椅子から脱出しようとして火事を起こしてしまうヘンリー、など、面白い場面続出である。インディが飛行船からナチ高官を投げ落とすシーンもおかしいし、そこから空中戦につながる流れもいい。
後半はナチの戦車が出てきて砂漠の戦闘場面となるが、あそこから終盤にかけてはちょっと前二作よりテンション低いかな、と思う。前半の方が面白い。ただ最後に出てくる、聖杯に到達するための三つのチャレンジはなかなか凝っている。
最後は夕日に向かって馬を駆る4人の男たちのシルエットで幕。それにしてもあの場面を見ると、やはりインディ・ジョーンズのルーツは西部劇なんだなあ、と感じる。一作目の『レイダース』について、この作品を象徴するカットはインディが馬から並走するトラックに飛び移る絵だとどこかでスピルバーグが言っていた気がするが、馬を駆って疾駆するワクワク感こそがこのシリーズの屋台骨なのだと感じる。
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