『The Avengers』 Joss Whedon監督 ☆☆☆
何だかやたらヒットしているらしい『The Avengers』を、週末にエッジウォーターの映画館で観てきた。ヒット作とはいえ封切りから時間もたってるし田舎の映画館だからガラ空きで、いつも通りど真ん中の特等席で観ることができた。
アメコミ原作のヒーローものだが、新趣向として、複数のスーパーヒーローが一堂に会する設定である。キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、超人ハルク、ブラック・ウィドー、そしてアイアンマン。あの弓矢を持った兄ちゃんもヒーローなのかどうかはよく知らないが、とにかくこれが全部出てくるという、まあ、安直であるものの、アメコミ・ヒーロー好きにはたまらない趣向なのだろう。ウルトラ兄弟大集合みたいなもんだ。こういうのはだんだんエスカレートしてヒーローのインフレ化を招き、しまいにはいつも大勢出てくるようになってありがたくもなんともなくなるのがパターンだが、とりあえず初めての試みだろうから、アメリカ人たちが興奮するのも無理はない。
が、私はアイアンマン以外よく知らないので、さほどのありがた味は感じない。最初はあの科学者がハルクに変身するということも分からなかった。ソーとかいう奴はいつもうちでの小槌みたいなのを持っていて、地味な武器だなと思っていたら、素手でアイアンマンと殴り合いをして平然としている。しまいにはアイアンマンに頭突きしたりする。ありえない。普通、額が割れる。こんな人間いるわけないと思ったら、人間じゃなくて神様だった。大変失敬した。しかしまあ、神様は出てくるわ先端科学の集大成であるアイアンマンは出てくるわ、世界観はむちゃくちゃである。
売れてるだけじゃなく批評家受けもいいようなので、これまでのヒーローものとは一線を画す何かがあるかと思ったら、別にそういうものはなかった。これはたとえばそれまでのヒーロー映画のイメージを一新した『ダークナイト』みたいな画期的なフィルムではない。アメコミ・マニア的視点からはどうか知らないが、私みたいな一般のオーディエンスにしてみれば過去のアメコミ・ヒーローものと大差ない。襲撃してくる敵もヒーローたちの内紛も、ありがちな感じだ。
しかしまあ、この手の映画のポイントは燃えるヴィジュアルがどれくらいあるかに尽きる。そういう意味では悪くはなかったが、これだけヒーローを出しているんだから、もっと見せ場が多くても良かったんじゃないだろうか。私の場合、イケてる場面はほとんどアイアンマン絡みで、キャラ的にもビジュアル的にも一番面白いのはやはりアイアンマンだということが良く分かった。具体的に言うと、キャプテン・アメリカがロキにやられそうになっているところへいきなり飛来して助ける場面。全身の武器がガチャガチャと起動してロキに狙いをつけるところは、メカゴジラみたいでめっちゃかっこ良かった。映画館ではあそこで思わず拍手している人がいた。あれを全開にして攻撃する場面も作ればいいのに。それからなんといってもこれは外せない、スターク・ビルから落下しながらの変身。今回の目玉シーンでしょう。敵がいるのにパワード・スーツを脱いでしまって大丈夫かと思っていると、案の定ロキにビルから放り投げられる。するとパワード・スーツのカタマリが壁から飛び出して落下するスタークを追いかけて飛行、スタークと空中合体するのである。か、かっこええ。これは燃えます。『アイアンマン2』でのスーツケースを使った変身と同じぐらいインパクトありだ。
ところで、キャプテン・アメリカのあのコスチュームだが、何とかならないものだろうか。あまりにもあんまりで、あれが画面に出てくる度に脱力感に襲われてしまうんである。顔のマスクには堂々と「A」の文字、スーツは星条旗。ダサ過ぎる。武器もあの丸い盾だけで、あとは殴る蹴るの肉弾戦のみ。見せ場だらけのアイアンマンに比べて、かなり切ない。演じた俳優さんも複雑だろうな。
日本では8月に公開ということで、あまりネタばらしをしないようこのへんで終わりにする。アイアンマンががんばっているのでヒーロー映画好きは普通に愉しめるだろうが、私みたいな一般映画ファンにしてみればメンツがマニアック過ぎてピンと来ない。どうせならスーパーマン、スパイダーマン、バットマン、アイアンマンぐらい揃えて欲しいところだ。
何だかやたらヒットしているらしい『The Avengers』を、週末にエッジウォーターの映画館で観てきた。ヒット作とはいえ封切りから時間もたってるし田舎の映画館だからガラ空きで、いつも通りど真ん中の特等席で観ることができた。
アメコミ原作のヒーローものだが、新趣向として、複数のスーパーヒーローが一堂に会する設定である。キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、超人ハルク、ブラック・ウィドー、そしてアイアンマン。あの弓矢を持った兄ちゃんもヒーローなのかどうかはよく知らないが、とにかくこれが全部出てくるという、まあ、安直であるものの、アメコミ・ヒーロー好きにはたまらない趣向なのだろう。ウルトラ兄弟大集合みたいなもんだ。こういうのはだんだんエスカレートしてヒーローのインフレ化を招き、しまいにはいつも大勢出てくるようになってありがたくもなんともなくなるのがパターンだが、とりあえず初めての試みだろうから、アメリカ人たちが興奮するのも無理はない。
が、私はアイアンマン以外よく知らないので、さほどのありがた味は感じない。最初はあの科学者がハルクに変身するということも分からなかった。ソーとかいう奴はいつもうちでの小槌みたいなのを持っていて、地味な武器だなと思っていたら、素手でアイアンマンと殴り合いをして平然としている。しまいにはアイアンマンに頭突きしたりする。ありえない。普通、額が割れる。こんな人間いるわけないと思ったら、人間じゃなくて神様だった。大変失敬した。しかしまあ、神様は出てくるわ先端科学の集大成であるアイアンマンは出てくるわ、世界観はむちゃくちゃである。
売れてるだけじゃなく批評家受けもいいようなので、これまでのヒーローものとは一線を画す何かがあるかと思ったら、別にそういうものはなかった。これはたとえばそれまでのヒーロー映画のイメージを一新した『ダークナイト』みたいな画期的なフィルムではない。アメコミ・マニア的視点からはどうか知らないが、私みたいな一般のオーディエンスにしてみれば過去のアメコミ・ヒーローものと大差ない。襲撃してくる敵もヒーローたちの内紛も、ありがちな感じだ。
しかしまあ、この手の映画のポイントは燃えるヴィジュアルがどれくらいあるかに尽きる。そういう意味では悪くはなかったが、これだけヒーローを出しているんだから、もっと見せ場が多くても良かったんじゃないだろうか。私の場合、イケてる場面はほとんどアイアンマン絡みで、キャラ的にもビジュアル的にも一番面白いのはやはりアイアンマンだということが良く分かった。具体的に言うと、キャプテン・アメリカがロキにやられそうになっているところへいきなり飛来して助ける場面。全身の武器がガチャガチャと起動してロキに狙いをつけるところは、メカゴジラみたいでめっちゃかっこ良かった。映画館ではあそこで思わず拍手している人がいた。あれを全開にして攻撃する場面も作ればいいのに。それからなんといってもこれは外せない、スターク・ビルから落下しながらの変身。今回の目玉シーンでしょう。敵がいるのにパワード・スーツを脱いでしまって大丈夫かと思っていると、案の定ロキにビルから放り投げられる。するとパワード・スーツのカタマリが壁から飛び出して落下するスタークを追いかけて飛行、スタークと空中合体するのである。か、かっこええ。これは燃えます。『アイアンマン2』でのスーツケースを使った変身と同じぐらいインパクトありだ。
ところで、キャプテン・アメリカのあのコスチュームだが、何とかならないものだろうか。あまりにもあんまりで、あれが画面に出てくる度に脱力感に襲われてしまうんである。顔のマスクには堂々と「A」の文字、スーツは星条旗。ダサ過ぎる。武器もあの丸い盾だけで、あとは殴る蹴るの肉弾戦のみ。見せ場だらけのアイアンマンに比べて、かなり切ない。演じた俳優さんも複雑だろうな。
日本では8月に公開ということで、あまりネタばらしをしないようこのへんで終わりにする。アイアンマンががんばっているのでヒーロー映画好きは普通に愉しめるだろうが、私みたいな一般映画ファンにしてみればメンツがマニアック過ぎてピンと来ない。どうせならスーパーマン、スパイダーマン、バットマン、アイアンマンぐらい揃えて欲しいところだ。
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