崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

私は愛犬ミミのしもべ

2016年02月14日 05時41分13秒 | 旅行
 愛犬ミミは室内の水は好まずベランダにおいてある給水器(ペットボトルを逆さにし、下に飲み口がついている物)の水を飲む。べランダのドアーの前で後ろ向きで吠える。「ハイ」とドアを開けてミミをベランダに出して閉める。飲み終わったら開けてミミが入ったら閉める。それだけではなく、廊下へ通るドアーもミミの「ワン」の一声で開閉してあげる。私はまるでホテルのドアマンのようにサーヴィスをしてあげる。否、ミミのしもべのようになっている。なぜそうするのだろうか。面倒なことではあるが嫌ではない。
 人によってはミミのようにされたい人が多い。高級自家用のドアーを開けてもらい、乗ったら礼を受け、ドアを閉めてもらってからなお深く頭を下げてもらうことを理想とするのが世間である。そんな社会にイエスは「私はしもべだ」と聖書で語っている。山口県立大学の安渓遊地教授から2冊の本と2本合わせて3時間半のDVDが届いた。教員と学生たちが山口の村々を訪ね泊まりながら農業を学び実習し、奉仕する内容である。印象的なことは無農薬稲作によって生物が現れ環境復帰の現象が起きていることである。一方海外調査の記録も読まれるようになっている。DVDを通して地域住民に奉仕するその心にひかれながら最近お会いしたご夫妻の様子を思い出している。

「サンタカン8番少娼館・望郷」映画の鑑賞

2016年02月13日 05時58分52秒 | 旅行
 明日14日13時から下関市生涯学習プラザで「絹代塾30回記念」に「サンタカン8番娼館・望郷」映画の鑑賞とトークショーを行う。すでに多く告知された原作家のトークショーのゲストの山崎朋子さんは体調不良で来れなくて残念なこととなった。私は塾長として申し訳ないと思っている。昨日触れたようにネット通信による映像を通した参加も可能であるとは思うが、代わりにこの映画を製作された熊井啓監督の夫人が来られることになっている。この映画は日本各地で放映されたものであり、ネット上でも簡単に見れるがあえて上映するのはなぜだろう。名作とはそのようなものであり、繰り返して鑑賞されることでさらに名作となるのである。つまり繰り返して観て、考え、話題にすることは映画が生きている名作であるからである。
 戦争中の軍と性が韓国の貞操ナショナリズムによって慰安婦問題が起こっているが、1世紀ほど前まではカラユキさんなど日本は性を売りに海外に出ていた。本映画はその脈絡から作られたものであり、慰安婦問題とは別であるが、あわせて考えられるものである。トークショーではその根本的な問題が話題になってほしい。
 会場で下関近辺のFB友人たちと名刺交換ができればと思っている。

近代日本帝国の教科書から見る朝鮮

2016年02月12日 05時43分48秒 | 旅行
 昨日は九州大大学院松原孝俊教授らの博士論文審査会に2時間半インタネット映像を通して参加した。それは私の手術後の風邪を配慮してくださって実施されたことではあるが、私は初めての体験であった。福岡市立博物館長の有馬先生も参加され、久しぶりに画面を通して挨拶ができた。数年前九州大学で開かれた戦前の映像「兵隊さん」の上映とシンポに一緒にならんで演壇に座って議論したことを思い出しながらの挨拶であった。私の横には林楽青氏がパワーポイントの画面を切り替えたり音声を調整したりしてくれた。イデオロギーや言説などが如何に教科書に現れたかの内容であった。松原先生の司会で院生の発表があり、近代日本帝国の教科書から見る朝鮮というテーマの発表にに有馬先生と私は植民地研究からの批評であった。審査委員たちの質高い議論が長く続いてよい研究会であると感じた。帰路に友人の焼き鳥屋「ごん」によってご馳走になった。
 映像を通しての会議ではあったが真摯に議論できることを体験し、これから海外の研究者たちと議論できることが嬉しい。数年前東亜大学創立記念シンポで私がインターネットを利用した海外の姉妹提携の機関とネット講義を提案したが空言に終わらないことになる。実施にあたって問題となるのは講義の内容と共通言語などである。ネットの広がりは無限に広くてもこれらによって非常に狭く制限される。まず日本語から発信するところから始めたい。すでに通信制による講義が行われているところにこのネットによる講義が加わることを勧めたい。ただ忘れてはいけないことは直接対面による人間関係を大切にすることである。

開城工業団の稼動を全面中断

2016年02月11日 07時04分06秒 | 旅行

金将軍は言うだろう。一発を撃ったら四方が騒がしいと。10日北朝鮮の4次核実験と長距離ミサイル発射に対応して韓国政府は開城工業団の稼動を全面中断すると発表した。強力な対北朝鮮制裁といえる。北朝鮮はソ連崩壊やアラブの春の風にも乗らず3代世襲独裁政権が延々と続く。ロシアと中国は南北朝鮮と適当に近隣外交をするのに、日本は拉致問題を持って敵対している。近代以降日本は常に外に敵を置いている。 韓国は戦争をした敵対国家で北朝鮮との関係改善をする余裕がない。同族である韓国、北朝鮮との関係が一番悪い。そこにアメリカが遠距離でありながら直接関係している。
 北朝鮮への経済的な制裁は極限的なものではない。お腹のベルトを締めながら米の代わり小麦粉、ジャガイモ、とうもろこしなどで延命することはできるからである。問題は自由民主主義を味わうようにすることが大事であろう。批判精神、そして立ち上がることができる契機を引き出す人が出てこなければならない。アメリカがカダフィに対する対応がアラブの春を起こしたような契機が必要であろう。日本はまず北朝鮮と国交を正常化して南北同時外交や仲裁ができるようにしなければならない。そのような話をしたら必ず論客はアメリカを持ち出す。私はオバマがキューバーとの関係正常化の次に北朝鮮に対する措置を期待する。

10일 북한의 4차 핵실험과 장거리 미사일 발사에 대응해 한국 정부가 개성공단 가동을 전면 중단한다고 발표하였다. 강력한 대북제재라 할 수 있다.소련 붕괴나 아랍의 봄 바람도 타지 않고 3대 독재가 연연 승승장구 한 방 쏘니 사방에서 요란하다는 식으로 체제를 유지하고 있다. 중국은 남 북한과 적당한 근린외교를 하는데 일본은 납치문제를 들고 늘어지고 도무지 문을 열지 않는다. 러시아도 그렇다. 한국은 전쟁을 한 적대국가로 북한과의 관계 개선을 할 여유가 없다. 이렇게 보면 동족간의 관계인 남북한의 관계가 가장 나쁘다. 거기에 미국이 원거리에서 큰 명향 관계에 있다.
북한에 경제적인 제재는 극한적인 것이 아니다. 배를 졸라매고 쌀 대신 밀가루, 감자, 옥수수 등으로 연명할 수 있기 때문이다. 문제는 자유민주주의의 맛을 보게 하는 것이다. 그리고 비판정신 또 그리고 들고 일어날 수 있는 힘 방아쇠를 땅겨 줄 사람이 나와야 한다. 미국이 카타피에 대한 대응이 아랍세계에 기운을 일으킨 것처럼 계기가 일어나지 않으면 안 된다. 일본은 우선 북한과 국교를 정상화하여 남북 동시외교 중재를 할 수 있는 길을 택하여야 한다. 그런 말을 하면 논객들은 미국을 들고 나온다. 나는 오바마가 큐바와의 관계 정상화에 이어 북한에 대한 조치를 바라게 된다.



通信映像skype

2016年02月10日 05時45分36秒 | 日記
昨日九州大学韓国研究センター所長の松原孝俊教授とskypeを利用して対談した。コンピューターやスマートフォンなどにはskypeという便利な機能があるのに初めて使ってみた。神秘的であった。松原氏が3月で定年を前に会議や行事はこの通信映像を通して行われることになった。これからは東アジアネットワークで講義や会議もできるようになった。以前ある講演で東アジアのネットワーク研究会を作ることを提案したが、実現できるようになった。それを中国や韓国などの姉妹大学と繋げて開放することが可能であり、嬉しい。これからその課題と共通言語などの内容が用意されなけれならない。
 文明機器を利用すると生活が便利になる。アマゾンで本を注文してそのスピードには驚く。丁度私のように長く待つのが嫌な性格にはピッタリである。時々思い出すがある大学教授の奥様、専業主婦で仕事をするのは嫌、しかし、豪華な生活をしたがる。私は想像する。彼女は全自動の家具を整備し、横になってスマートフォンで注文して食べる。暇な時間が有り余るほどであろう。幸せの極り。機械は人を怠け者にさせる。さらに人を引きこもらせる。一方機械は人を忙しくもする。以前できなかったことも機械を利用して領域を広げ、仕事の質を深めることができる。忙しい。楽しい。うれしい。人に機械は機会である。スマートフォンをもってナマケモノになるのか、効率よい行動をするのか考えてほしい。

待つ時間

2016年02月09日 06時20分30秒 | 日記
 昨朝8時採血、レントゲン、心電図検査を受け、その結果を午後1時半に主治医ではない先生から聞いた、幸い健康回復が順調であることが確認できた。さらに定期的に受信しているクリニックと薬局と終わった時には午後3時過ぎていた。特に総合病院では長時間待つのは一般的である。それは一般行政機関とは違って病院は命を扱うところだという共通認識の上に立っている。昨日は担当医師が緊急手術に入ったことが遅れた理由であり多くの患者たちも黙認していたようである。それは手術を受けたばかりの私から文句があるわけではない。ただもう少し病院側の配慮が必要だと思う。状況説明があってほしい。看護師や職員たちは優しく対応しているがシステムとしては優しくないといえる。
 ワールトディズニーが作ったディズニーランドでは待つ退屈な時間さえ楽しくするという設計からの配慮が成功の秘訣といわれている。待つ退屈な時間の長いところは多い。エレベーターの中の短い時間でも人は退屈を感じやすい。ホテルなどではテレビモニターを付けてあるところもある。退屈な時間との戦いは幸福への道であろう。退屈は闇の空間である。その激退は社会政策にもなってほしい。しかし待つのは退屈だけではない。私は冬の服装を観察し、美意識の欠如した服ばかりのように感じた。冬の服飾のデザインは布団デザイナーがしたようであると家内と冗談話をした。子供が成長すること、社会の変化、発展を待つのは楽しい。退屈の感じ方は個人の問題、あるいは人生観によるものともいえる。

カリスマ

2016年02月08日 05時40分40秒 | 旅行

昨朝北朝鮮は核実験のミサイル発射で世界に注目されるようになった。「権不十年」(権力は10年いかない)という韓国の諺に関係なく3代続きの独裁政権が続き、金氏家を英雄化している。独裁が500年も続いた李王朝があった。共産党や自民党も長期政権を握っている。それらはどちらも暴力による支配である。暴力とは直接的には武器を意味するがメディアも暴力である。暴力の権力は長くなってはいけないが、それを認め、賛美する大衆が存在する限り続くであろう。金氏は暴力をもって英雄化されている。「棒でも警察の帽子を被せておけば怖い」という言葉を私は親から聞いた。韓国は朴正熙大統領が暗殺されてから民主主義への道が開いた。
 昨朝近隣の宇部教会の教え子から毎年忘れずに送ってくれる名節祝いのお土産が届き、彼女の声も聞くことができて嬉しかった。私は近くにある下関教会に出席している。合同議会にも参加した。決算予算の報告が続いた。小人数での予算として大規模であると思い、信者の力はまだ大きいと感嘆していた。しかしそこで「破産宣告」の提案が出て激論になった。一般の社会組織、団体であればすぐに問題になることであり、遅すぎの騒動が起き、当然とは思いながら突然の問題提起には驚いた。これから議論となるだろう。私は発展のための動き、勇気ある行動と巨視的にみている。

一人芝居

2016年02月07日 05時39分29秒 | 旅行
 来週の14日の絹代塾主催で生涯学習プラザで映画「サンダカン八番娼館」を上映し、ゲストとして作家山崎朋子さんのトークショーを予定していた。しかし日程が近くなっている今、「良くなると思って言わなかったけど、ストレスによる体調不良で、お医者様から、遠出は避けるように言われ、行けそうにない。」と言われたとの事。「やはり高齢者は…」ということになる。塾長になっている私の名前でお知らせを出しており大変申し訳ないと責任を痛感する。昨日田中絹代メモリアル協会の会長の権藤氏、事務担当の河波氏に塾長の辞任をお願いした。
広島で新屋英子氏の一人芝居を観て感動したことがある。一人の女性が済州島から日本に来て商いしながら生きる人生談を語る内容であった。しかしそれは芝居ではなく語りであった。日本では伝統芸能のなかで一人で演ずる落語、浪曲など独演の種目があるが、それも基本的には語りである。韓国のパンソリに類似しているものである。西洋発祥のシンフォ二―やオペラは多数の人や音のハーモニーによる交響楽団になる。多くの人が共演、一人一人が個別の芝居をして全体的にハーモニーを作り出すのである。その比較の話は今は古い話である。しかし人間関係でみるとまだ新しい話である。一人芝居が得意な人は多い。時々私がその一人芝居をしているようなこともあり反省するが、私が他人の一人芝居の飾りになっていることもある。
 

1970年代の教え子

2016年02月06日 05時21分30秒 | 旅行
回復中の私のハードな仕事ぶりに心配してくれる人が多い。ハードなスケジュールのひとつにお見舞いくださる方々を迎えることも含まれる。中にはご無沙汰疎遠だった人からもお見舞いのお言葉が届き、慰められている。昨日は1970年代の教え子の二人と一日を過ごした。大学学部で教え、結婚主礼、大学院など複雑につながった人間関係のある弟子からのお見舞いであった。奥さんの自信作のキムチは久しぶりに美味しい名作であった。また、私だけでなく家内にまで素敵なブローチを持ってきて家内を慰労してくれた。それぞれの奥さんの心使いが感じられ感謝である。答礼として二人に私の好みのエビせんべいをあげた。その道で昨日電話を受けた言論人にばったり会って両手の握手になった。彼は私の元気な姿に驚いた表情であった。学縁、地縁などいろいろネットが絡んでワークする言葉通りにネットワークをもっている。私から考えてもすべてが良い人間関係だけではない。しかし人間関係があまり良くなかったような人からもお見舞いの言葉を頂き、私からは和解の言葉ですべてがよくなっている。私はこのような状態を幸せと感じている。
 世の中に倫理や正道を正す必要があるので戦うことも必要である。意見が違うことも多い。人によっては否定的な人が多い。ほぼ「否」「いいえ」「いけない」などダメダメ…と思い行動する人がいる。政治的に言うと与党と野党の対立、常に否定する人がいる。一生反対運動を起こすような人もいる。そして裁判までに至る。正道を正すのは良いが、否定的な生き方をしてはいけない。決して幸せではない生き方であるからである。私に否定的な人はまだ多いかもしれないが、私は彼らに否定的には接していないつもりである。日韓は互いに否定的なことが多く、まだ改善されていないのは残念である。

暴力、体罰、武力、軍事力

2016年02月05日 05時15分17秒 | 旅行
韓国慶南大学校の張竜傑教授がお見舞いに来られた。彼を迎える集まりが自然にできた。本学の学長、副学長、石本社長に慶南大学の総長からのお土産が渡された。彼は福岡空港では韓国人が氾濫するほど多かったが、韓国の経済の困難さや日本との関係の悪さを語ってくれた。経済難と海外旅行の矛盾が話題になった。私は借金しても優雅に暮らす韓国の知人などをよく知っているので平然としていた。夕食では私の健康回復も話題になって特に私のハードなスケジュールを懸念していた。丁度その時山口新聞の佐々木氏から講演依頼の電話があった。残念ながら東京の講演とダブって断らざるを得なかった。彼は言う。先日東京へ講演に行ってきたのを知っていて、また行くのかと驚く反応であった。今日はもう一人の教え子が韓国から来ることになっている。
 昨日は試験期間中ではあるが講義と試験を行った。韓国からの男子留学生4名が兵役のために帰国するという。そこで私の軍の訓練話を披露した。私の一生で一番残酷なことをやったことを告白した。将校として軍の階級主義に染まらず人格的に兵士を紳士的に扱った。それが彼らに呑められて無力な上官とされた。私の夜勤中、兵士たちが軍律を守らず私は大変困った。それで感情的ではなく、一人一人に悪さを納得させて最大の残酷な方法で体罰を与えた。その噂が一気に広がり秩序がはっきり整然となった。私はショックであった。暴力の大効果に驚いた体験であった。暴力は麻薬のような効果があった。しかし本当に暴力、体罰、武力、軍事力は必要であるのか、銃を持つことの当否など根本的な問題点を学生たちに提供した。

青年の軍人の性欲

2016年02月04日 06時33分05秒 | 旅行
 ビデオ「満州映画」から珍しい映像を見たのは10年ほど前のこと、忘れられない。昨日満映研究者の林楽青氏と再度見た。ビデオにはソ連軍が撮ったものとなっているが、国民党の軍隊と旗が見えているので、国民党共産党の合作時代のものであり、ソ連軍が撮ったとは思えない。動画の内容は似せ(仮)の八路軍の強姦犯を裁判、街頭での誇示、銃殺のシーンがある。おそらく軍が性犯罪を厳しく扱った現場を撮った映像としては唯一のものであろう。私の最新著の『韓国の慰安婦はなぜ生まれたか』で中国支援軍だけは性暴行がなかったと書いたが、このような中国軍の厳しい軍律があったからではないかと思っており、その有力な証明にもなるだろう。
 遊牧民族では動物の交尾を抑制策として去勢するか、発情期に貞操帯かエプロンをかけることがある。私は1990年モンゴルの草原で羊の出産期を調節するためにエプロンを掛ける話を聞いたことがある。人間には王宮で勤める男子を去勢して「内侍」となった人々がいた。その制度は中国から韓国までで、日本には入らなかった。それで日本は性の禁忌が厳しくなく、エロ物語が多い。男の性欲を抑制させるべきか放置するかは社会問題であり、同時に人権問題である。去勢は人権問題である。同時に若い青年の軍人の性欲を厳しい軍律で抑制させるのも人権問題である。犠牲になった女性の人権と同時に、男性の人権にも関心を持つべきである。

スピーチの上手いアメリカ

2016年02月03日 05時36分01秒 | 旅行
アイオワ州の米大統領選挙の様子をCNNでほぼ一日中見た。共和党のトランプ氏がクルズ氏に負け、民主党のクリントン氏が辛勝であったことは予想外である。そして民主党の候補のサンダー氏とクリントン氏のインタビュー式の講演もスマートフォンで聞いた。サンダー氏の広く深い見識の話には感動した。サンダー氏のスピーチに私は関心を注いだ(写真)。拍手があまり多く彼の言葉は短く、多くは単語を叫ぶように聞こえる。毎度感ずるのはアメリカはスピーチが上手い国であるということである。しかしトランプ氏はスピーチで人気があったがクルズ氏に負けた。これから全米に広がる選挙状況を見るのは面白い。
 先日インタビューされたテープ起こしの生の文が届いた。自分の日本語、否言葉に失望した。このような日本語で生活しているのかと反省している。「でー」とか必要ではない音、終わりがはっきりしていない。テープ起しの文を読むとこんな日本語を理解してくれたことに感謝するとともに恥ずかしく思った。しかし話し言葉と文章は異なる。日本では書いて読むようなスピーチが多い。それは文としては生きているかもしれないが言葉としては面白くない。会話にはならない。会話では既知の部分とか儀礼語が省略される。特に私は決まり文句の挨拶などは多く省いているが言葉をより磨かなければならない。 

東江康治先生死去

2016年02月02日 06時38分44秒 | 旅行
 恐れて気をつけていたのに風邪を引き、昨日の約束をキャンセル、家に籠っている。寒中見舞いのはがきや旧正月の年賀状が数枚届いている。海外で「二重過歳」(韓国で旧正月と正月を重ねて祝うこと)の気持ちである。中には毎年年賀はがきを交換している人から来ないので気になっている人がいたが、その中には彼の奥さんからはがきが届いたものがある。沖縄県の東江康治氏の奥様からである。私は沖縄復帰10周年記念講演に招かれて彼とのお付き合いが始まり、後に沖縄に行く時にはお会いしていた。名桜大学創立の際には文化人類学の設定に関する相談を受けたこともある。琉球大学や名桜大学の学長を務めた東江先生が去年4月肝臓がんのために86歳で亡くなられたという。とても残念なことである。アメリカ留学、教育心理学を専攻して、1984~90年に琉球大学長。同県名護市の名桜大の設立に携わり、94年に初代学長を務めた。
 彼は太平洋戦争末期の沖縄戦で米国生まれの兄が米兵として沖縄に入り、敵味方に分かれた兄弟としても知られた。私はその新聞記事を読んで一筆を送った。直ぐ返事が来た。その後音信がなく、亡くなられたことになる。名桜大学には私の教え子が二人もいるのに東江先生の訃音を知らず、大変失礼したこと、残念である。心を痛めながら遅ればせながら御冥福をお祈りします。
 

台湾蓬莱米

2016年02月01日 05時07分05秒 | 日記
 風邪気味だったがしばらく参加できなかった科研の研究会(代表植野弘子)に参加した。大手術後にメンバーたちへ回復した姿を見せることができた私も嬉しかったがメンバーたちから喜んで迎えられたことが感謝であった。山口大学で午後1-6時までの長い時間、台湾と韓国の調査結果の総合発表であり、私は大学院時代のゼミのように楽しく話をした。3年間のこの研究会を通して共に調査研究をした仲間たちがグループ化して研究を続けることが重要であろう。昨日は研究メンバーではない山口県立大学の安渓遊地教授が参加した。彼は自然人類学の農学が専門で台湾植民地での稲の品種改良の話をした。私は朝鮮における稲の品種改良について関心を持っているのでそれこそ帝国の植民地政策に関する基本的なテーマであり、新鮮な討論ができた。また日本人が神懸かる信仰に関する三尾氏の発表など有益な時間であった。JRで遅く帰宅した。やはり風邪をひいている。
 安渓氏は早速台湾蓬莱米の父である磯永吉の資料を送ってくれた。蓬莱米は日本の台湾統治時代に、日照時間の差から熱帯では早く芽が伸びすぎてしまい、実りを得ることのできなかった日本のお米(ジャポニカ米)を台湾の気候に合うように、磯博士が品種改良して作った品種である。二期作が可能なため、多くの収穫をもたらし、米は台湾の重要な輸出品目となった。インド各地の農業センターで蓬莱米の試作が始まった。インドでは蓬莱米を植えたところ、大豊作、地平線まで蓬莱米の黄金の波にうずめられていたと言う。蓬莱米にまつわる日・台・印友好の物語である。帝国全体、そしてインド、満洲国の北部までの稲作を広げていった貢献であった。安渓氏との対話は楽しかった。
*写真は安渓教授の夫婦と