崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

青年の軍人の性欲

2016年02月04日 06時33分05秒 | 旅行
 ビデオ「満州映画」から珍しい映像を見たのは10年ほど前のこと、忘れられない。昨日満映研究者の林楽青氏と再度見た。ビデオにはソ連軍が撮ったものとなっているが、国民党の軍隊と旗が見えているので、国民党共産党の合作時代のものであり、ソ連軍が撮ったとは思えない。動画の内容は似せ(仮)の八路軍の強姦犯を裁判、街頭での誇示、銃殺のシーンがある。おそらく軍が性犯罪を厳しく扱った現場を撮った映像としては唯一のものであろう。私の最新著の『韓国の慰安婦はなぜ生まれたか』で中国支援軍だけは性暴行がなかったと書いたが、このような中国軍の厳しい軍律があったからではないかと思っており、その有力な証明にもなるだろう。
 遊牧民族では動物の交尾を抑制策として去勢するか、発情期に貞操帯かエプロンをかけることがある。私は1990年モンゴルの草原で羊の出産期を調節するためにエプロンを掛ける話を聞いたことがある。人間には王宮で勤める男子を去勢して「内侍」となった人々がいた。その制度は中国から韓国までで、日本には入らなかった。それで日本は性の禁忌が厳しくなく、エロ物語が多い。男の性欲を抑制させるべきか放置するかは社会問題であり、同時に人権問題である。去勢は人権問題である。同時に若い青年の軍人の性欲を厳しい軍律で抑制させるのも人権問題である。犠牲になった女性の人権と同時に、男性の人権にも関心を持つべきである。