崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

近代日本帝国の教科書から見る朝鮮

2016年02月12日 05時43分48秒 | 旅行
 昨日は九州大大学院松原孝俊教授らの博士論文審査会に2時間半インタネット映像を通して参加した。それは私の手術後の風邪を配慮してくださって実施されたことではあるが、私は初めての体験であった。福岡市立博物館長の有馬先生も参加され、久しぶりに画面を通して挨拶ができた。数年前九州大学で開かれた戦前の映像「兵隊さん」の上映とシンポに一緒にならんで演壇に座って議論したことを思い出しながらの挨拶であった。私の横には林楽青氏がパワーポイントの画面を切り替えたり音声を調整したりしてくれた。イデオロギーや言説などが如何に教科書に現れたかの内容であった。松原先生の司会で院生の発表があり、近代日本帝国の教科書から見る朝鮮というテーマの発表にに有馬先生と私は植民地研究からの批評であった。審査委員たちの質高い議論が長く続いてよい研究会であると感じた。帰路に友人の焼き鳥屋「ごん」によってご馳走になった。
 映像を通しての会議ではあったが真摯に議論できることを体験し、これから海外の研究者たちと議論できることが嬉しい。数年前東亜大学創立記念シンポで私がインターネットを利用した海外の姉妹提携の機関とネット講義を提案したが空言に終わらないことになる。実施にあたって問題となるのは講義の内容と共通言語などである。ネットの広がりは無限に広くてもこれらによって非常に狭く制限される。まず日本語から発信するところから始めたい。すでに通信制による講義が行われているところにこのネットによる講義が加わることを勧めたい。ただ忘れてはいけないことは直接対面による人間関係を大切にすることである。