崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「中国は自由な社会である」

2018年12月27日 05時02分17秒 | 講義
日韓関係が最悪といえる目下、「日中関係は良い」と、昨日のワンアジア共同体講義の講師の金俊氏は言った。「紀年」をめぐるナショナリズム神話つくりの話が面白かった。日本は明治、大正、昭和、平成の紀年、年号を使っている。北朝鮮の「主体」、台湾の「民国」、以前韓国では「檀紀」が使われた。儒教は孔子の神格化の話など広く長い。「難しかった」という声が多い。その後研究室では討論があった。権藤博志氏が中国共産党、共産主義、社会主義社会がなぜ市場経済と資本主義を取り入れるのか、その意味は何だろうと質問した。それは当然自由民主主義が伴われるのではないかということであった。
 金氏は多民族国家であるから韓国や日本より「中国は自由な社会である」と強調した。彼自身は中国朝鮮族でありながら中国をカバーするようである。私は彼の発言が学問の姿勢であるのか気になった。学者、研究者たちが民族としてアイデンティティを装って愛国心を語るのではないか。中立的ではなく中国や韓国の味方をする彼の学問の姿勢が心配になった。
 先日私が韓国の東亜大学校の「名士招請特別講演」が取り消された私の屈辱の噂を韓国で楽しんだように伝えた。悪い日韓関係によるものではなく、他の事情であろうとも言った。私は新年3月2日には京都で対談を行う予定である。チラシ案が来ている。崔吉城×小倉紀蔵「『中立派』文化人類学者、日本と朝鮮半島を語る」ゲスト/崔吉城氏(現東亜大学人間科学部教授、広島大学名誉教授)となっている。私は韓国の釜山の東亜大学校の教員ではない。日本の東亜大学の教授である。「中止にならないように」願っている。