崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

銭湯文化

2018年12月21日 05時14分59秒 | 講義

  昨日の観光人類学では「温泉旅行」をテーマにした。まず留学生たちに日本での温泉感想を求めた。意外にほぼ日本の温泉に行ったことがないという。中国の大連からの留学生のチョウさんは日本式の銭湯、サウナがあって知っている。ベトナムからのルーティさんは自分の国では銭湯などはないという。熱帯、亜熱帯地域では温泉や銭湯文化はない。私の調査では中国、モンゴル、サハリンなどでは温泉は病気、療養目的が主であり、裸で入る大衆風呂は日本特異の文化と言える。
 温泉文化が日本特異な伝統文化と日本人は自慢げに言う人が多い。お風呂、銭湯、足湯、慰安旅行、芸者、どんちゃん騒ぎなどが複合的である。それも廃れ、単純化していく。今ではむしろ風呂文化が稀であった韓国で盛んになり、日本人が韓国へ垢すりやエステ(化粧、マッサージ)旅行に行く。伝統文化の「伝統」の意味が希薄になっている。