崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本での研究は難しい

2018年12月06日 05時24分34秒 | エッセイ

 私を知っている友人や同僚から隠しても良いのになぜ自ら弱点を人の前で言うのかと、アドバイスされることが多々ある。噂や陰口、韓国のメディアから「親日派」と最悪な悪口があった。韓国の大学での特講が前日に断られた。「名士」(講演)から「拙夫」に下落した。それも隠すべきか、否、隠せない。韓国の学生、大学に失望するのみ。そんな中にも私に励ましの言葉がある。

 「先生は韓国内にとどまって研究生活をされていても、立派な学者になられた方だと思います。しかし、日本で研究するという困難な選択をされた。奥様がしっかり支えてこられた。お二人の人生の価値は、きっと多くの人々に理解される時期がくると思います。それだけの実績がある方だと、今回の本を読んで改めて思いました」

という。元毎日新聞論説委員・元大学教授・韓国特派員の時の取材経験豊かな下川正晴氏からの投稿である。それはこの下関地域の新聞が拙著出版に冷淡であるという私の言葉にフィードバックしてくれた言葉である。大きいな励みになる。
 しかし当時私は韓国では真面目な研究が難しい思って日本を選んだのである。韓国からのバッシングによって、多くの知人を失なったが、他方では心からの友人、知人、フレンドシップの友人が得られた。慰安婦問題を起こしたのは日本の反日、それが韓国の反日へ、そして日韓関係を悪くする。日本が不和の温床でもある。日本の反日が怖い。下川氏の言葉のように日本での研究は難しいかもしれないが、必要だと思っている。

 

下川 正晴 崔吉城 今度の本の取材執筆をしながら、痛感したのは、先生や僕のように、日本統治時代の朝鮮映画を見たことがない人が、ほとんどだということですね。一般の人はもちろんですが、朝鮮文学の研究者でもちゃんと見たことがある人は、少数です。
先生は僕が未見の短編映画のほか、民俗資料としての記録映像もご覧になっている。先生は最先端を進んでおられるので、朝鮮問題に関心もない一般記者が先生の著作に無理解なのは、ある程度仕方がないと思います。
僕も先生の今回著作の韓国語版を持っていますが、やはり、日本語版が出版されると、瞬く間に読めてしまう。先生のように、日韓双方に訴える著作をコツコツしていくしかないんだなあ、と思っています。
先生は韓国内にとどまって研究生活をされていても、立派な学者になられた方だと思います。しかし、日本で研究するという困難な選択をされた。奥様がしっかり支えてこられた。お二人の人生の価値は、きっと多くの人々に理解される時期がくると思います。それだけの実績がある方だと、今回の本を読んで改めて思いました。
授業をするように声をかけていただいたのは、見えざる手のおかげだと僕は思っています。今、授業に向けた準備をしています。受講生に話したいことはたくさんありますが、ポイントを絞って受講生に少しでも理解してもらうことが大事だと思います。ご指導をお願いするとともに、先生にはお体に注意され、今後とも大きな刺激を後輩に与えていただくよう祈念するばかりです。
思わぬ激励の言葉をいただき、私の書き込みが長くなったことを、ご容赦ください。