崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「講義は芸術Art of Class」

2018年11月28日 05時22分34秒 | 講義
 教員や学生たちもインタネットから資料を集めてpptで編集して口演するのが今流行っている。多賀直氏は 「最近の教室では資料を配って映像を見せると、その場での理解は早いが、メモや記録を書いて後から見返しながら反芻することが少なくなっている」とコメントしてくださった。私の学生時代には大部分の先生たちは講義ノートを見たりしながら講義をして話が一貫していた。学術用語、人名など理解し難くとも先生への学生たちの評価が高く、良かった、面白かったなど、学生同士で議論したこともあった。その最中アメリカ帰りの鄭範謨先生の講義はショッキング、非常に変っており、異色的であった。スポーツ刈りの髪型で教壇から降りて生徒たちの中に入った時には学生の椅子に腰かけて対話式で講義をした。その先生は講義方式にも触れた。「講義は芸術Art of Class」とおしゃった。私はその先生の講義で発言、一躍「博士」というニックネームが付けられたのは他にも雑文で書いたことがある。それが韓国の教育の革新のはじまり、先生は後に戦後の韓国教育を改革したのである。それ以来、私が教壇に立って半世紀以上経た今でも講義方式に気を使っている。レジュメ、ppt、学生にフィードバック、質問紙などのペーパーに応え、対話式で行う。そこで最も重要視するのは「考える授業」である。