崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

寒さ(冬、雪、オーロラ)を商売とする

2018年11月16日 04時07分13秒 | 講義

 この頃になると観光人類学の講義では寒さ(冬、雪、オーロラ)を商売とすることを扱う。クリスマスが西ヨーロッパでは12月25日、東では1月6日、サンタクロースは北欧の発祥、赤い服装のおじいさんの姿はコカコーラの宣伝によるものであることに触れる。それらの情報はネットでも簡単に知れる。しかしネットでは知ることができない難しい問題がある。日本はキリスト教の信者が1%にもならない国、しかしクリスマスの飾り、ギフトなどが盛んなのはなぜだろう。ハロウィーン、バレンタイン等々西洋の文化を受け入れているのにキリスト教の信仰は受け入れないのはのどうしてだろうと、学生に問題を提供した。彼らは日本という国を考え困った表情をする。そこに私はもっとも難しい質問を投げかける。「あなた自身は表面だけ変わっても本質的には変わっていないのではないか」と。優秀な学生たちは戸惑っている。丁度終わりの鐘が鳴った。

*写真:リトルエンジェルスが咲いた