崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「親日派」(悪口)

2018年11月20日 22時39分52秒 | 日記

 昨日釜山東亜大学での講演が中止になっていたその時間に外出して戻ったらフェイスブックに東大の真鍋祐子教授が見つけてくれた韓国「民衆の声」記事、驚いた。水野俊平教授との応答投稿が次のようにあった。慰められた。

真鍋祐子:崔先生。この記事を見てビックリしました。まさかこんな大事になってたとは。先生が「親日」なのですか⁈
しかも「国民の税金で」と日本のどこかで聞いたような理由で、「親日」がポリコレ棒として振り回されている…
 私を侮辱する記事が出た。
Shumpei Mizuno これが文政権下の韓国の実態です。今更ながら。
Shumpei Mizuno 日本では何か民主主義が花咲く桃源郷のように勘違いされておられる方もいるみたいですが。
真鍋 祐子 Shumpei Mizuno 確かに。。。
真鍋 祐子 まあ、適度に脱力しながらやっていくしかないですねえ…
Shumpei Mizuno BTSの商売などよりもよっぽど学問と言論の自由にかかわる大問題だと思うんですがね。韓国人の大部分は自分がやるぶんになると完全無感覚。自分がやればロマンス、他人がやれば不倫。マキャベリストだらけなんですわ。

 東亜大学校学術院は崔吉城教授の最近著を紹介しながら「名士招請特講」の中止を公知した。それが報道された。記事によれば講演は韓国の教育部、韓国研究財団が支援する。ただ1日前に急に取り消した。実は予想されたものであった。学生たちの「親日の人」を韓国教育部の予算で行うことに強く反対した。日本に帰化し、呉善花氏と対談した本『これでは困る韓国』で「韓国で挺身隊と従軍慰安婦は異なる」「強制したこともあるが、国家が強制法律で命令したかは重要である」といい、親日的意見を披露した」と書かれている。以下私の意見を述べさせていただく。

 まず帰化したことには最近韓国政府が肯定的に国籍をとることを勧めている。日本に帰化した人は日本人であり、「親日」は当てはまらない。親日と反日のテーマに関しては日本語(明石書店)と韓国語(ダラクエン)の拙著がある。ある東亜日報記者が高く評価してくれている。日本に帰化した人は反日はあっても親日は意味がない。こんどの学生たちと記者の無知、レベルの低さには驚く。論議したい。もう1冊、本を書きたくなった。
 是非反論してください。また国家の予算云々は、国家宣伝以外には言論の自由がないことを意味するのか。私の学生時代には国家への「御用学者」を批判したが貴方たちは政府を宣伝するのか。この「民衆の声」という記事は「民衆」ではなく、「政府」を庇護するものなのか。
 言論の自由がない。アメリカの名門大学は社会をリードしようとする。私は啓明大学教授時代デモ隊の学生の指導教授として治安局長に反抗したことは当時の関係者は知っている。私はいま皮肉にも貴方たちのような学生に抗議している。
 このようななことは私を「親日派」(悪口)とする人は、自分自身を侮辱することになる。学問が何かちゃんと勉強をしなかった人が私を侮辱する資格があるのだろうか。私は少なくとも韓国の愛国者であると思っている。陸軍士官学校で多くの将校を養成し、50歳まで予備軍など軍務を終え、日本に来て苦学をして、研究だけに専念して、研究者と教育者として日韓両国で研究と拙著を出している。貴方たちは私を非難する資格があるのか。知識があるのか。価値観があるのか。何が愛国なのか知っているか。聞きたい。
 海外名士招待特講を頼まれたことがなぜ悪いのか。「学問の自由」という言葉を聞いたことはないのか。客観的な研究が韓国並びに世界に貢献できるということを知らないのか。慰安婦に関する私の本を読んだのか。内容と結論のどこが親日なのか教えてほしい。私の本を読まずに私を親日と評価するのは大きな間違いである。拙著のどの部分が親日なのか指摘してほしい。


「名士招請特講」中止

2018年11月20日 05時43分51秒 | 講義

 昨日朝京都大学での講演依頼にOK,しかし午後は?日本では「褒め殺し」という恐ろしい言葉がある。手紙やメールなどで誉める頭語の終わりには必ず「残念ながら」という殺し(?)結びになるのが普通である。そのような文脈はドラマなどでも、幸せな場面から始まるのは悲劇的な結末が多い。1年ほど前に、韓国の東亜大学校から私に「海外名士」として「招請特別講議」という誉めことばで依頼され、長く日程調整をして今日11月20日午後3時に講演をして、日帰りをすることにして、スケジュールを調整した。おそらく「名士」に相応しく成功物語の話が期待されているだろうと思いながら、しかし私は「失敗物語」を語るつもり。そして釜山地域の教え子たち(今は教授)も集まることになった。その最中に、昨日3時頃韓国の東亜大学校の二人の教授から電話とメールが来た。「講演中止」という。「日韓関係が良くない、韓国言論に報じられたこと、慰安婦問題など微妙なこと、学生たちの反発が予想される」という理由であった。私の研究室には、通話の時、外部から特講に来られた教授、本学の副学長、外部の人とも、ショッキングな話に相談、対応、対策を講じた。

 韓国の東亜大学校と日本の東亜大学とは同名、前者の総長一行が下関に2泊しながら友愛の姉妹提携を結び、総長から私に講演に招くことになった経緯がある。突然、しかも直前の取り消しに、皆が驚き憤慨した。私もそうであった。しかし私は友愛関係を壊しくない。相手がそうしても私は「友愛」がもっと価値があると思う。日本では韓国の東亜大学校がよりよく知られていて、時には私がその大学校の教員に思われることが多々あったが、この度のことをみて下関の日本の東亜大学の教授であることが如何に幸せであるかと思うようになった。人々が私に「中立的だ」というレッテルを貼ってくださることに感謝、嬉しい。しかし中立は両方から非難されやすいことを覚悟しなければならない。また両方から褒められることもある。

公開セミナーのお知らせ

・報告者:崔吉城氏(東亜大学教授、広島大学名誉教授)
・テーマ:「慰安婦の真実」
 今日、日韓間で問題になっている慰安婦問題について取り上げる
・場所:県民文化センター(鯉城会館)5階、504号室
・日時:2018年11月24日17:00ー18:30
・その他:事前申込み不要 学生無料