崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

演劇文化

2018年11月10日 06時05分16秒 | 日記
 日韓関係が悪くなると私の本が売れる傾向がある。数日の間、拙著『慰安婦の真実』が分野ではあるがベストセラーマークが付いている。感謝すべきか。寂さもないわけではない。新著は紙の本とほぼ同時に電子ブックの両方で出版されるようになった。人類は「文字」「紙」の発明により「文化」「文明」が発展してきたが絵、漫画、画像、映像・映画により脱文字の時代になっている。国際化には効果があるが、思考や思想を低下させるのではないか、憂いがある。
 昨夜久しぶりに演劇「異聞岩倉使節団の長州人」を観覧した。日本語の難解、自身の日本語をテストするような時間であった。原作は最近亡くなられた古川薫氏、その奥様、クリニックの先生ご夫妻と偶然ではあるが並んで3時間近く鑑賞した。休憩時間には東亜大学の櫛田学長と雑談した。本当に観劇文化を楽しんだ。
 
上演は野村忠司氏のナレーションから始まった。彼は元気な力強い、
良くとおる声で素晴らしかった。物語は、米サンフランシスコを目指す船中で起きる視察団員間の軋轢や女子留学生を巡る事件を裁判する様子、日本が西洋の司法制度を受け入れる様子が分かった。その司法制度が朝鮮にも施され近代化されたことを感じた。ほぼセリフ中心、ラジオ脚本のようなものであった。熱心に傾聴してその分疲れ、その分楽しかった。演出を担当した「劇団海峡座」の武部忠夫さんの挨拶と配役の紹介、そこには東亜大学剣道部の学生などの参加もあった。