崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

教え子の前で

2015年08月24日 05時42分53秒 | 旅行
 広島大学大学院での教え子の孫蓮花さんが下関にきて昨日昼食を一緒にとった。彼女が結婚して以来初めての再会だったので、結婚のお祝いを渡した。彼女の夫も同席。共働きの夫婦、安定したよき協力者になっていると感じた。私は二人で共同研究者として共著などを出すように期待を込めて話をした。孫さんから中国通遼に案内通訳してもらったのは20年ほど前のこと、昨日孫さんを前にして彼女の成長や変化、そして結婚し成熟し、一方的な内助者というより同等な協力者を得た強さを感じた。これからさらに安定した夫婦になっていくと思っている。良き家族、よき研究者として協力し、何よりも幸せであってほしい。
 二人の関係はすべての人間関係の基礎となっている。人間関係を上手く表現したのが又吉直樹氏の「火花」である。漫才は基本的に二人で笑わせる。二つのグループの漫才師同士の二人の徳永と神谷の付き合いの話である。彼らは舞台だけではなく、生活および人生に関わっていることが描かれている。二人は人生を問い、学び、互いに変化し、成長している。笑いというネタはその人生を常に肯定的している。不和の生活者が舞台では一緒に立って笑わせる韓国のムーダンを思い出す。しかし彼らも愛で結ばれていることを私は後に知った。われわれが笑うのは自然の生活から出たものか、不和を装った笑いをするのか。「火花」は人間関係をポジティブに生きるモデルを見せている。