崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

売春合法化

2015年08月19日 05時42分51秒 | 旅行
 猛暑中の道路工事の現場を見ていると工事のトラックなどの誘導員に目が届いた。制服の労働服を着て炸熱の日差しの中に立っている。それに似てる辛い労働現場は多くある。労働が資本であるという資本主義によって強制されている。微笑み、笑いなども資本化されている。セックスも資本化されている。昨日の毎日新聞(時事通信)によればアイルランドのダブリンで11日に開かれたアムネスティの総会で70カ国から約400人の代表者が出席し、売買春のほか、売春あっせん、売春宿の経営を含む「合意の下での性労働に関わる行為」について、全面的に合法化すべきだとする決議を賛成多数で採択したという。このようなアムネスティに対して人権団体や女性団体からは非難されている。特に貞操を重要視するキリスト教文化圏と女性の貞操を要求する儒教文化圏としては違和感のある衝撃的な話題である。慰安婦が強制された人権問題とされているがその底には女性の貞操観文化に基づいた儒教的ナショナリズムが存在している。
 売春、慰安婦の合法の話題を聞いて疑問となるのは性愛はどうするかである。恋愛、結婚、家族などという伝統的な家族観は壊れるのではないか。性は夫婦だけの専有ではない、また性は特有ではない共有であるという問題に至るのである。セックスレス夫婦が多く、また夫婦外のセックスもあるという時代になっている。家族の定義も子供も性愛中心としては難しくなっている。性欲を抑制する貞操観念も薄くなり、それ以上強調すると人類生存に関わる人権問題になっていく。今慰安婦問題を政治的カードに使うようであるが、より深刻な問題、性の強制的な抑制なども考える契機になってほしい。*写真は読書中の本である。