崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

地方創生

2014年10月11日 05時32分25秒 | 旅行
 聯合ニュースによると韓国の脱北者団体が昨日軍事境界線に近い京畿道・坡州の烏頭山統一展望台で北朝鮮の金正恩体制を非難するビラ散布を行った。ビラ20万枚を大型の風船10個にくくりつけて風に載せて北朝鮮へ飛ばした。ビラには、「北朝鮮人民の解放と民主化のため、金正恩3代世襲を終わらせるため自由・民主統一…」と書かれた。ビラ散布による南北の緊張が高まっているという。坡州というところは私の生まれ故郷の隣郡であり、朝鮮戦争の苦戦場であり、常に戦争への不安があり地価が安く開発が遅かったが金大中大統領の南北和解政策によって平安をとり戻し開発が活発になった地域である。その上危険な境界線を観光化して統一展望台や板門店が人気のあるところになった。そこで昨日実際に銃撃が起きたということからも注目されるようである。しかし私には辛い戦争体験を思い起こす不快なニュースである。住民たちが「待避」したというが私は「避難」した。いま考えると当時なぜ辛い避難したか後悔する気持である。避難する心も生命力も旺盛であったと回顧している。地球上反戦や反核の運動などを広げてきてもまだ戦争が起き、続いている。
 日本の近代化、帝国化していった重要な三つの戦争は、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争である。その戦争へ反省からも日本は「戦争をしない国」となっている。いまそれが隣国との関係から見直されようとしている。他国の戦争に危険なホラー映画に出演するかのように参戦しようとした日本人の青年もいる。東亜大学の同僚である磯永和貴氏と,山本孝夫氏の共著に日露戦争の負傷や手術室を撮影した写真が紹介されている『東亜大学紀要』の文を地域新聞の「長周新聞」に勧め記事とされた。先日東京で研究者たちに紹介して注目を引いた。地方の貴重な資料が発掘されても地方のメディアに注目されることは難しい。中央を通して地方へという通路になっている。地方創生といわれても地方を創生する力は地方にないことを意味する。地方は中央からの天下り構造に変わりはない。地方創生は地方人の意識改革から始めなければならないという石破大臣の言うとおりである。