崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本植民地が生きている

2013年12月15日 06時37分36秒 | エッセイ

ここパラオのホテルでみる客のほとんどは日本人、海に潜るか海水浴に来ている人たちが主である。もう一つの観光は主に終戦記念日などに戦跡観光だという。このクリスマスの年末の季節はもっぱら前者の観光客だけである。私は日本植民地の研究者として調査に来ている。まず訪ねたところは国立博物館は言っても人口2万余の、日本での町の位の行政組織である。スペイン、ドイツ、日本、アメリカの支配の歴史を主に展示している。韓国で言う国恥の展示に当たる。日本人のお墓にも行くことができた。
 広い海の中の魚、自然に恵まれて食べるには心配ないとのこと、熱帯地方で人は努力しようとはせず、外勢に依存する。30余年間の日本の統治が良かったとも言われている。、近い歴史が残って日本語と英語はほぼ同じくらいに使われている。また日本から気楽に訪ねて来る人が多く、まるで日本の植民地は今も自然に生きているような感がある。ガイドの二つのことばが心に残る。一つは植民地政策として植えたアカシアの話である。韓国では山を壊滅させようとしたという「悪カシア」といわれるが、ここではそのアカシアが土をアルカリ性に変化させて土地改良になっているという。韓国ではネガティブ、ここではポジティブに解釈されていることである。海上に浮かんでいる島の姿が軍艦のようであり、日本人たちは軍艦島と呼んでいるという。アメリカの飛行機が日本軍の軍艦と間違えて爆撃したとも言われている。いろいろなグループと入れ替わりながら回ったがその度に声をかけて一気に話をするようになった。北海道、名古屋、東京、沖縄、広島等地から来られた方々とも話を楽しんだ。海に潜って撮った写真を見せてくださった方々もいる。しかし私は海より戦跡調査を続ける。