崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「善意の競争」

2013年12月09日 05時12分36秒 | エッセイ
 2012年除夜の鐘を鳴らしながら2013年の日韓関係の友好を祈って始めた今年。12月になって回想してみる。日韓関係は最悪であると言える。李明博大統領以来、現朴大統領に続いて「最悪」が作られている。その基底にあるものは競争心だと思える。先日韓国大使李丙氏が下関に来られて歓迎晩さん会でのスピーチが気になった。彼は東京オリンピックに触れて「韓国での冬期オリンピックの2年後の東京オリンピック」といっておられた。つまり、「韓国が先、日本が後」という表現である。東京オリンピックを素直に祝賀して、日本側から「韓国で先に冬期オリンピックがありますね」と言われたい。
 韓国東亜日報の記事に 浅田真央のインタビューが報道されている。“힘들었던 때도 있어요. 하지만 김연아 선수가 없었으면 저는 발전하지 못했을 겁니다. 사실상 우리 둘의 선의의 경쟁이 저에게 자극이 됐어요.”真央は競争者の金ヨナがいて、善意の競争ができて良かったという記事である。この記事を読んで最悪の今年を「善意の競争」と終結したい気持ちである。韓国の発展のもっとも基本的なものは教育の熱心さ、キリスト教化と端的に思うが、もっとも重要なものは日本という競争国があったという事実であろう。それは北朝鮮と比較してみると確かである。いま後進国、中進国であった韓国が先進国となったのは日本の存在があるということを私は体で感じてきた。その多くはみて真似をする、つまり影響しあったことである。