崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

国内用の「反日」を日本向けに利用しないこと

2013年12月11日 05時26分12秒 | エッセイ
 毎日新聞のソウル支局の大貫智子氏の「『過去最悪』の日韓関係」(2013.12.10)に反日の国の韓国で日本が好きな「好日」の人が多いことに触れ、韓国での日本文化を紹介している。韓国の反日より日本の嫌韓が酷いということにも触れている。「親日」「知日」「好日」「親韓」「知韓」「反日」「嫌韓」など、ことばを並列してみても複雑な感がする。私は韓国の「反日」の「日」は直接の日本とうより韓国内の日本が好きな「親日」の人への反感であると『親日と反日の文化人類学』で分析したことがある。韓国内の親日派向けの反日が国際化の中で日本向けになっていく傾向があるのが事実ではあるが、私は基本的に韓国の「反日」は韓国の国内用に過ぎないと思っている。日本居住の呉善花氏が韓国への入国が禁じられたことは同じ民族への反感の典型的な例であろう。コリアレポートのベン氏は朴大統領の反日も野党の「親日攻勢」への対応的なものであると分析している。正しいと思う。
 私は日本の嫌韓がもっと難しいと思う。それは韓国の国内用の「反日」が日本人の好韓の心を傷つけることになりはしないかという憂いである。日本のなかで親韓とか嫌韓の「韓」は直接的に「韓国」を対象として、「韓流は終わった」と宣言する人がいるほど日韓関係が悪くなっている。朴大統領に言いたい。韓国や中国の指導者は国内用の反日を日本向けに利用しないこと、いち早く日韓関係の改善に努力すべきである。