崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「回復」

2012年02月19日 06時07分25秒 | エッセイ
天皇の冠動脈バイパス手術が無事終了したという記者会見があった(写真は産経新聞)。ベストの医療陳でベストの手術であったことは納得し嬉しく思っている。これからはただ「回復が順調なら」という言葉を信じて回復を待つしかない。ある医療解説者は「回復」は患者本人の健康状況や前向きの態度によることだといった。つまり医術に最善を尽くしてからは人の生命力による回復を待つ、祈る心に通じる言葉のように受け取られる。最先端の医学の医者が「回復」は生命力の神秘さに頼らざるを得ないというように聞こえる。
 何でもプライベートと煩いこの国で天皇の手術については詳しいのが気になった。もし病名が知られたくないものであればどうするつもりだったのだろうか。このように人の病状を詳しく公開する前例を作ったらプライベートは侵害されるだろうと思う。戦前には「現人神」とされた天皇が人間宣言、病気になられたり人間的であることは良いが、プライベートの侵害はならないように配慮すべきだと思う。