崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

暴雪にも平常な

2012年02月03日 06時02分51秒 | エッセイ
降雪と寒気が続いている。雪崩や落雪など大雪で死者が56人にもなっている。昨日下関にも雪が降ったが銀世界にはなっていない。大雪の被害のニュースを聞きながらなかなか実感がない。被害や怖ろしさが実感できないのではなぜであろうか。それは雪の中での生活体験がないからであろう。逆に雪と言うとホワイトクリスマスやロマンティクな文学作品を想起する。氷柱や雪だるまは童謡の主題になっている。今度の大雪はそれをはるかに超えている。
 私はサハリンで二回の冬を経験している。雪が胸まで積もった時、また零下30度以下に道路表示板も凍って見えない所を車で走ったことを思い出す。エンジンが止まると数時間以内に死ぬという寒さの怖い真っ白の世界、そこで氷上穴掘り釣りをする人もいる。チェインもなく走るが対向車がなく安全。夏よりは交通が楽だと言う人もいた。帰国の日の朝から大雪で飛行機が飛ぶとは思わなかったが平常であった。寒さに強い文化がある。日本では毎年大雪で被害が出る。暴雪にも平常な生活ができる大雪対策文化が必要である。