崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

孤独な群衆

2012年02月17日 06時01分07秒 | エッセイ
 消費文化の一つが節約であろう。私は家内のショッピングについてスーパーなどを回ることが多い。個人の嗜好とはいっても日韓の食文化の特徴が表れることに気がついた。米、豆腐などは共通、異なることは家内は魚、乳製品を好み、私は肉と揚げ物を選ぶ。家内が豊富に買うのに対して私は少量にする傾向がある。私は食品については節約精神が常にある。しかし家内は節電にうるさい。
 人によっては贅沢やお洒落などの視点からも節約部分が異なるだろう。サハリンのロシア家庭にホームスティした時の食事は質素でありながら街ゆく人々の洒落た服装にアンバランスを感じた。より本質的な節約は時間であろう。ラッシュアーワで急いで動く人波のなかに行くところもなく、デイヴィッド・リースマンの『孤独な群衆』のように人生の空しさを感ずる人もいる。時間をどう消費するか、節約するかが生き方そのものであろう。