崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

恩師と通話

2012年02月16日 05時58分36秒 | エッセイ
 ソウルの恩師の李杜鉉先生と電話で話をした。90歳近い高齢であってもはっきりとした通話ができて嬉しかった。丁度出版社社長が新しく出版した先生の本が出来上がったので先生のお宅にお届けに行き、先生自身が手にされて嬉しさで興奮して叫んぶような声であった。喜びをそのように大声で言うのを初めで聞いた。数年前先生の全集出版会を立ち上げてから最初の出版物であり、私も微力ながら協力できたので嬉しかった。原稿を出版社に渡してからは早く出るように「遺稿になるのは嫌だ」と何回も催促したのである。私は時々「遺稿は嫌だ」という言葉に引っかかる。先生はお母様の信仰を引きづいだクリスチャンでありキリスト教の「永生」の霊魂観をもっておられるであろう。「死ぬまで働きなさい」という信仰であろうか。私は本欄で時々「残すために」という言葉を記した。実はその言葉も難しい言葉である。