崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「日本人はマジメだ」

2012年02月18日 05時04分33秒 | エッセイ
「日本文化論」の講義は楽しく短く感じて終わった。最後の時間では外国人から「日本人はマジメだ」と言われている真面目さに触れた。真面目さは別に努力するとか、創意的な精神構造ではなく、むしろ失敗やマラソンなどで遅れながら最後まで走るような生活の態度を指す。真面目はただの怠者、失敗した人を指すのではない。頭が切れる人が溢れる現代社会に真面目な人が好まれるのは当然であろう。それほど注目されず同じ場所で数年間路傍演説をした「まじめさ」で総理大臣になった野田氏は典型的な真面目な人であろう。しかし「真面目さ」には度が過ぎると窮屈、従順さなど否定的にみられることが多い。立身出世のために見せかけの忠誠などのような偽りの真面目さの毒である。それは競争で勝つ方ではなく、負ける方であろう。しかしそれは偉大な力を持っている。素直な人柄そのままの真面目な人は美しい。岩下君はレポートで崔先生が「日本が世界で勝てるのは真面目さだけだね」と言った言葉を聞いて、真面目に考え直すいい機会になったと述べた。