崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「日本語が下手だ」

2012年02月12日 05時52分54秒 | エッセイ
ある出版社の編集長が研究室を訪ねてきて新しい企画の話をした。自著、研究所出版、知人の小説、友人の訳書、韓国との共同販売など数多く提案をした。彼は「久し振りに関心を共有できる大学の先生の研究室をお訪ねし、嬉しい思いで帰途に着きました」というメールが届いた。喜びながらも多少混乱しているような驚いた表情をしていた。また私にとって日本は外国であるはずなのに日本語で著述活動をしている(?)ことを褒めてくれた。
 最近ある人から日本語が下手だと言われたことがある。それは事実である。日本語は韓国語の文法と同じであると思い、勉強をしていなかったこともあって反省すべきである。日本語が上手いとか、下手だとか言われていることがあるが日本に住んで20年以上になると「日本語」より「言語力」の問題であろう。日本語の問題、否、表現力の問題であり、さらに思考力の問題であろう。文は思考であり、表現である。日本人になっても日本語が下手な人がいるのも国際化時代を意味する。