崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

エレベーターは人間関係の圧縮機

2011年07月24日 05時39分04秒 | エッセイ
 マンションのエレベータの中は密閉なる空間である。まったく他人と同乗することもあるが、その中で時々嬉しい出会いもある。しかし顔見知り程度の人と一緒の時は異様な雰囲気になることもある。私はマンションのエレベーターで挨拶をしたり話かけたりすることが多い。エレベーターを待つのは長く感ずるし、また乗ってからも長く感ずることが多い。この時間は数分、数十秒の時間ではあるが、時には長く感ずるのは赤の他人、あるいは親しい人ではなく顔見知り程度のあいまいな人間関係にある。このような人と同乗したエレベーター内での短い密閉した空間で異様な雰囲気を和らげるのは一言、言葉ををかけることである。
 昨日のエレベーターでは同年輩の顔見知りの方と一緒であり、なんとなく声を掛けた。「最近散歩は?、お出かけ?」など30秒ほどの対話で密閉空間の中で人間関係が圧縮した感じがした。郵政関係の仕事で定年、奥さんの病気、車はもっていないなどを知り、私が福祉施設の話までしたところで彼は降りた。エレベーターは人や物を運ぶが人間関係の圧縮機でもある。短い、狭い空間でどう対応するかは人間関係のバローメーターかもしれない。