崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

チャンポンやのカウンターで

2011年07月04日 00時07分05秒 | エッセイ
 大学の近くのチャンメン屋に寄ったが客が多く、初めてカウンターの椅子に掛けた。キッチンで働いている様子が観察できてよかった。ステンレスの調理台で男女二入の年配の方が麺を茹で、鍋でスープを作ってから皿を並べてごま油、麺、スープ、いためたり、煮たりして作った具の、モヤシ、キャベツ、肉、海苔などを入れてでき上がった。それを他の3人がお盆に、箸、スプーン、請求伝票などを載せて座席表の通りに運ぶ。彼らの中には会話はまったくなく、仕事ぶりを夢中に見ていながら待っているところに、私と家内の前に作品が運び置かれた。麺とスープの味から確かめると美味しい。胡椒、ラー油、にんにくなどで風味を加え、高級料理以上に美味しく、皿をなめるように食べた。
 5人が働いて収入はいくらくらいで、純利益はどのくらいなのだろうか、などと余計なことまで考えた。純利益は1日1-2万円であれば夫婦が働いてそれぞれ30万くらいかもしれない、客が多くてもぼろもうけではないと思った。私は物を売ったことはないが、いつの間にか金で利益を計算してみる癖があり、それがたのしい。ベランダの花や実ができると売ったらいくらになるだろうかと言っては経済観念がないと評価している家内に笑われる。なぜその癖がついたのであろうか。私の父は商売をしたのでその遺伝子が私に少し残っているのだろうか。