崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「…してはいけない」

2011年07月09日 04時43分21秒 | エッセイ
 日本に来たばかりの留学生や海外旅行者から「日本はきれいな国だ」と聞かされることが多い。日本はよく整備されていて空気汚染などが少ない。自然環境がよいという人も多い。昨日韓国からの留学生7,8人が研究室に来て、いろいろと日本での生活4ヶ月間の感想を話してくれた。ある学生は日本には「…してはいけない」ことが多いという。私も大いに賛同した。
 整備されてきれいなことはよいが、精神的に弱い人が多い。回りにもそのような人がいる。先日は若い時うつ病を経験した人がクリスチャンになった話も聞いた。確かに私が生まれ育った韓国に比べて日本には心理的に弱い人が非常に多く感ずる。私はその理由の一つとして、重要な理由として「…してはいけない」という社会的な制裁、規制、規範などが個人を必要以上に圧迫するからではないかと想像する。制裁、規制、規範など社会的なルール、規則は社会の機能を効果的にするためのものであるが、いつの間にか日本はそれが社会機能、個性などを抑圧していて心理的な圧迫をしていると思う。皮肉に言うならばこんなにきれいな日本で十年も住めば誰でも精神がおかしくなりそうである。国民性などを一ことで言うのは専門的ではないが、日韓を長く往来して生きる私の経験からの感想である。