崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

平昌

2011年07月08日 05時29分57秒 | エッセイ

 冬季オリンピック開催地として韓国のPYONGCHANG(平昌)が決まった。嬉しい。私には貧困な山村が世界的な舞台になるという驚き感もある。私のイメージは古い。1960年代、文化人類学を専攻するという意欲で始まったフィールドとしてこの地域の寧越、旌旋、平昌などの火田民(焼畑)を探して歩いたことが懐かしい。その調査記は日本文にも訳されている。平昌は李孝石のゆかりの地であり、寄ったことを覚えている。彼の「蕎麦の花が咲く頃」が代表作であるが私は彼の随筆「落葉を燃やしながら」が好きで、今でも落ち葉を燃やすにおいからそれを思い出すことがある。今は「平昌李孝石文化村」として有名になっているという。それ以降はスキー場ができて夏のシーズンオフのホテルに泊まったことがあり、冬のソナタの画像で見たのが全部である。
 山間奥の寒村が世界的に注目を浴びることとなった。信じられない。「ネズミの穴にも日がさすことがある」ということわざの通りである。世界的にアピールする韓国の力はすごい。そのオリンピックの開催の時には私は80歳近くなるが、行って見たい。