崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

繰り返すこと

2008年10月02日 05時50分29秒 | エッセイ
 地域住民にボランテアーで韓国語を教えることになった。住民とは言っても主婦たちである。冬のソナタなどいわば韓流ブームに乗った主婦たちである。彼女たちとの韓国語クラスは楽しい。私は国語教育科の出身とはいっても長い間文化人類学や日本語などを教えてきた。その間、韓国語の教授法も相当発展したはずであるので私がより効果的な教育ができるか、自信がないところもある。しかし韓国語を通して韓国文化も話すことができると思い、引き受けた。
 言葉をおぼえることは「繰り返す」repeatすることが最っとも近道であるという。しかし人は同じことを繰り返すことは嫌である。二度と聞きたくないことがあったり、もう一度聞きたいものもあったりする。問題は繰り返したくないことが言葉の学習の邪魔になることである。その嫌なこととの戦いが言葉の勉強でもある。外国語の学習とはこの嫌さと戦わなければならない。スポーツ選手などはこの心の嫌さを乗り越えた人であろう。それは人生の生き方そのものである。