崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

少子化と質高い教育へ

2008年10月22日 06時09分20秒 | エッセイ
 学生の少ないクラスを覗いてみてさびしく感ずる先生も多いと思われる。ある大学経営者から少子化による大学経営が難しくなっている一般的な話を聞かされて、私は今こそ大学の質をあげるチャンスとして逆利用する時である言った。大学は規模を縮小しなければならない。コンパクトな規模で質を高める教育体制にする必要がある。少子化はマイナスの意味しかないわけではない。少人数の教育が大学の原風景とともいえる。学生と一対一で個別で質の高い教育をする。そのためには素晴らしい教育者と研究者を兼備した「先生」の存在感への回復が優先であろう。
 数日前ある研究会で高名な先生が自分の弟子にコーヒーを入れてあげながら「砂糖は一スプーンでいいか」と聞いている現場を私が見て「良い先生だ」と冗談をした。大学が学生一人一人の人権を尊重する人間関係、そしてレベル高い研究成果を教えることが望ましいと思った。少子化に苦しむ大学はいち早く、改革を行うべきであろう。