崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

学歴偽装

2008年10月06日 05時55分30秒 | エッセイ
 私の友人の弟はわれわれの母校の中学校出身と学歴を偽装して結婚をしたが、結婚生活数十年後に妻から離婚された。このような学歴社会といわれる韓国では時々学歴偽装が社会的に問題になる。それは本人の偽装に焦点が当てられているが、実は制度の問題でもある。ある学者は、昔、小規模の夜間大卒業であるが後にその大学が大きい名門大学と合併したので後に名門大学の卒業者と履歴に書いた。またある人は台湾の「哲士」を韓国で博士と書いたことが偽装といわれた。国際的になるともっと複雑になる。私は韓国の大学校の師範大学国語教育科を卒業し、後にある大学校で「学長」をした。それを日本式にいうと韓国の「大学校」は「大学」、「師範大学」は「教育学部」に当たる。旧制学校制度を現在風に言うと、それも偽装のように聞こえる。現在日本では「博士前期」(旧修士課程)を韓国ではそのまま「博士課程」として通用することもある。「前期」終了者が「博士」ということもありうる。「学習」には関心が薄いが「学歴」には熱心な社会をいわば「学歴社会」という。