崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

玄関に置かれたお土産

2008年10月10日 05時53分27秒 | エッセイ
 一昨夜韓国から来られた数名のお客が帰った後、玄関に置かれたお土産を見た。誰が持ってきたお土産なのか、忘れ物なのかわからない。韓国では伝統的に家庭を訪問した時、酒やお菓子などのお土産をもっていっても直接渡さず仏壇などに置く習慣がある。人にあげるために持っていっても何も言わずそのまま置いていくのがしきたりである。したがって、たくさんの方々が来られた時はいろいろなお土産が置かれているが、誰が何を持ってこられたのかわからない。しかし、そのお気持はしっかりいただくことになる。お土産の交換は日本と韓国の差が大である。昔、韓国人たちが「日本人はちっぽけなものを持ってきて自慢話のような説明をしながら渡す」と皮肉をいったことばを思い出す。
 実は私が昔日本に来たばかりで指導教官が入院された時に花を持って行ってその辺において帰ってきたら先生の奥さまから電話で忘れものではないかと言われたこともあった。両方とも日韓の異文化に無知であった。最近は韓国人でも土産を直接出すことも多くなったがまだ伝統は残っている。数名のなかから不特定な人が玄関に置いて行ったお菓子を美味しくいただきながら韓国の伝統的な慣習を改めて認識した。