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フランス語になった俳人たち(10)

■旧暦5月12日、木曜日、

(写真)Valery Afanassiev Colleced Poems Dry Silence(裏表紙英語版)

朝から蒸し暑い。久しぶりに独仏会話を聴く。珈琲を淹れて仕事。夕方、介護保険の更新調査に立ち会う。郵便を出しに行った帰り、歩道橋から下の列車が通過するのをしばらく眺める。




閑さや岩にしみ入る蝉の声
  芭蕉「奥の細道」


Le cri des cigales
vrille la roche-
quel silence!


※Traduction de Corinne Atlan et Zéno Bianu
HAIKU Anthologie du poème court japonais Gallimard 2002


蝉の声が
岩に突き刺さる
なんという静寂


■原句の「しみ入る」は液体が染み込む感じだが、フランス語のvrillerは錐で突き刺すことで、岩に声が何本も突き刺さるイメージがあって面白い。

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