大学生活のバイブル?

2011年11月05日 23時26分58秒 | 日記
昨夜はブログ更新後にレジュメを制作していました。
本格的に文学作品を扱うので体裁を縦書きにしてみましたが、まるで小説を書いているかのようで、なかなかいい感じです。
発表まではまだしばらくあるので、これからも頑張ります。

今日はJRが人身事故で遅れていたので、バスで西大路御池まで行き、地下鉄東西線に乗り換えて烏丸御池へ。
バスの所要時間と地下鉄への接続次第ではこちらの方が早く着くのかもしれません。地下鉄では乗り入れている京阪の車両に乗ることも出来ました。かつての平安京の端から山を潜って滋賀県の浜大津まで一本で行けるようになったとは、何とも便利なものです。

烏丸御池で降りてからは、徒歩数分のところにある京都文化博物館へ。
13:30からの森見登美彦×上田誠トークイベント「宇宙、京都、四畳半」に参加してきました!
タイトルからも分かる通りアニメ「四畳半神話大系」関連のイベントです。
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門と、先月末から開催されている国民文化祭・京都2011のコラボ企画です。
メディア芸術祭受賞作品かつ、京都が描かれているアニメ作品ということで「四畳半神話大系」が選ばれ、作家の森見さんと脚本の上田さん(ヨーロッパ企画)がゲストで呼ばれることになったそうです。
実は毎週金曜日に受けている映像学部の授業でこの企画が紹介されたので、先月に申し込んでいました。
聞いた話では、定員150人に対して申し込んだ人は170人で全員当選扱いだったようです。放送終了から1年以上を経ても今なお人気の強さが窺えます。
「薔薇色のキャンパスライフを夢見ながら延々と無意義な学生生活を送る大学3回生の主人公」って、やはり何処か親近感があるんですよね。

整理券を受け取って、3階のシアタールームへ。既に椅子が用意されていて、拍手と共にお二人が登場されました。
対談の内容は「四畳半神話大系」のアニメ化の経緯と各話の内容、作家生活の話などなど。最初にアニメ化の話が来た時には「何でこの作品が」と驚かれたそうです。
森見さん曰く、登場する個性的なキャラクターにはそれぞれ参考とした方が実在するとのことで、それぞれおもしろいエピソードがこぼれました。
また、主人公が各話で「やらかす」出来事も実体験に基づいていたものがあり、公式読本にも載っていない「ここでしか聞けない話」の連続で、そこそこ笑いも起きました。

また、作品(原作)中で描かれている京都は学生時代の記憶に基づくものを圧縮して登場させているそうで、
例えば「鴨川を渡った先にあの店がある」「この道を通ればあそこに抜けられる」といったピンポイントの情報がたまたま読者と共有出来る、上手くツボを押すようになっているとのことです。
奈良(森見さんの出身)や東京の生活を知っていても、それはやはり碁盤の目といった狭くもなく広くもない京都でしか成立しないものであると上田さん談。
これは京都の文学研究をしている者にとっては聞き応えのある内容でした。最近から京都が舞台の小説を読む時は「京都であることの必然性」を考えながら読んでいるのですが、またひとつヒントが掴めたような気がします。

最後はそれぞれ専門とされている小説と映像の親和性、制作する上で共通する点や異なる点についての話があり、時間ちょうどに終了となりました。
その後は「四畳半神話大系」全話の一挙放映(15:15から20:20まで!)が予定されていたのですが、お茶のお稽古に行くために泣く泣く断念。
また別の四畳半に腰を据えていたのでした。


写真は大文字山より、森見さん作品の主な舞台となっている左京区上京区方面の眺めです。
この灯りの一つひとつから物語が生まれると思うと、おもしろいものですね。