
「革命/内乱とジェンダー」
9月17日(日)研究発表 午後 2 時 30 分~午後 6 時
会場:駒澤大学 1号館 515 教場
「革命/内乱とジェンダー」研究会
《趣旨説明》明治期政治小説におけるフランス・アメリカ・ロシア表象 倉田 容子(駒澤大学)
・マリー・アントワネットとミソジニー――18 世紀フランスの《男性》市民社会とフランス革命 玉田 敦子(中部大学)
・ジョルジュ・サンドと二月革命―フェミニズムと「その後」を考える 高岡 尚子(奈良女子大学)
・ヘンリー・ジェイムズの『カサマシマ公爵夫人』における 「無関心な都市」と家庭空間 中川 千帆(奈良女子大学)
19月18 日(月)ディスカッション 午前 10 時~
【企画趣旨】
本研究会は、近代市民社会の黎明期における政治とジェンダーのありようについて、市民革命/内乱を視座とし、各国の文学的言説を通して再検討するものである。各国により時期も状況も異なるが、平等な権利と機会を求める女たちの活動が組織的な展開を開始するのは、多くの場合、近代市民社会の成立期である。そしてまた、今日のフェミニズムが直面している諸問題の多くはこの時期に胎動している。近年盛んに議論が展開しているリベラリズムとジェンダーの緊張関係や、再分配と承認の問題も、啓蒙期に形成された〈市民〉像にその根源が求められよう。すなわち、この時期の政治とジェンダーのありようを問い直すことは、我々の足元を問い直すことに他ならない。以上のような問題意識に立ち、近代フランス文学・思想、および、アメリカ・イギリス文学を専門とする方々に、それぞれの専門領域における政治とジェンダーの様相についてお話頂く。相互に強い影響関係を持つと思われる各国の近代黎明期における政治とジェンダーのありようを照らし合わせることで、「フェミニズム」はどこから来て、どこへ行くのか、再検討する契機としたい。
▼日曜のみの参加も歓迎いたします。資料準備の都合上、できるだけ事前に参加希望をメールでお知らせください。ご連絡およびお問い合わせは倉田 kurata@komazawa-u.ac.jp まで。
交通アクセス
所在地:〒154-8525 東京都世田谷区駒沢1-23-1
電車の場合
東急田園都市線「駒沢大学」駅下車。「駒沢公園口」出口から徒歩約10分。
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倉田容子
■ 著書・論文歴
1. 著書 現代女性作家読本⑰ 桐野夏生 (共著) 2013/11
2. 著書 現代女性作家読本⑯ 宮部みゆき (共著) 2013/04
3. 著書 現代女性作家読本⑮ 角田光代 (共著) 2012/09
4. 著書 現代女性作家読本⑭ 恩田陸 (共著) 2012/02
5. 著書 現代女性作家読本⑫ 長野まゆみ (共著) 2010/10
■ 学会発表
1. 2015/05/31 七〇年代~八〇年代の〈少女を愛する少女たち〉――ジェンダー移行モデルから同一化モデルへ(日本近代文学会春季大会・パネル「少女たちの〈いま〉を問う――一九八〇年代の少女小説とジェンダー」)
2. 2013/04 Feminism and Women's Life Course in Contemporary Japanese Literature(Constructing Health in Japan)
3. 2011/11 Enchi Fumiko, Colors and Body Images(Association for Japanese Literary Studies 2011Conference at Tufts)
4. 2008/05 梨木香歩における老女表象――ジェンダー/エイジング/エスニシティの視座から(日本児童文学会5月例会)
5. 2007/12 『羅生門』にみるジェロントフォビア(gerontophobia)の系譜(第2回国際日本学コンソーシアム)
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倉田容子:参考文献など
論文
・三枝和子における不「自由」の水脈 : 『八月の修羅』から『隅田川原』へ 駒澤國文 53 151-177 2016年2月
・芥川龍之介における死の表象 : 「葬儀記」と「妖婆」の連関性を視座として 駒澤國文 52 73-94 2015年2月
・三枝和子と一九八〇年代フェミニズム: 『鬼どもの夜は深い』を中心として 日本近代文学 (91) 127-142 2014年11月 [査読有り]
・横溝正史「悪霊島」におけるメタフィクションの構造 杉野服飾大学・杉野服飾大学短期大学部紀要 12 11-1 2014年3月
・「母系一族」の〈秘密〉 : 中上健次「補陀落」論 (特集 変容する欲望 : 高度経済成長期を読む) 敍説. 3 : 文学批評 (9) 40-50 2013年3月
書籍等出版物
・『文学研究から現代日本の批評を考える—批評・小説・ポップカルチャーをめぐって』西田谷洋編著 (担当:分担執筆, 範囲:「男装少女のポリティクス――一九七〇年代から八〇年代にかけての〈少女を愛する少女〉表象の転換」pp.196-215) ひつじ書房 2017年6月 ISBN:4894767708
・『怪異とは誰か (怪異の時空)』一柳廣孝監修、茂木謙之介編著 (担当:分担執筆, 範囲:「第11章 女が語る〈産〉と怪異――三枝和子『曼珠沙華燃ゆ』における亡霊たちのフォークロア」pp.232-248)青弓社 2016年12月 ISBN:4787292412
・林真理子 (現代女性作家読本)現代女性作家読本刊行会 (担当:分担執筆, 範囲:「『星に願いを』――〈誰にも、私の心をメチャクチャにする権利なんかないのに〉」pp.8-11) 鼎書房 2015年9月 ISBN:4907282249
・『少女小説事典』 岩淵宏子・菅聡子・久米依子・長谷川啓編 (担当:分担執筆) 東京堂出版 2015年3月 ISBN:4490108621
・山本文緒 (現代女性作家読本) 現代女性作家読本刊行会 (担当:分担執筆, 範囲:「『アカペラ』――関係性の病い」pp.74-77) 鼎書房 2015年1月 ISBN:4907282192
講演・口頭発表など
・〈差異の政治〉批判の再検討――松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』の受容史を中心として 日本近代文学会春季大会・パネル「〈差異の政治〉と一九九〇年代」 2017年5月27日
・「例外状態」における女の身体――三枝和子の諸テクストにおける生殖と性暴力 日本フランス語フランス文学会2016年度春季大会・ワークショップ「恐怖・嫌悪・欲望とジェンダー」 2016年5月29日
・女性文学と「自由」――フェミニズム批評の現在 第59回駒澤大学国文学大会 2015年12月12日
・七〇年代~八〇年代の〈少女を愛する少女たち〉――ジェンダー移行モデルから同一化モデルへ 日本近代文学会春季大会・パネル「少女たちの〈いま〉を問う――一九八〇年代の少女小説とジェンダー」 2015年5月31日
・〈閉ざされた人間〉たちの世界―芥川龍之介における老いと死 奈良女子大学文学部言語文化学科・ジェンダー言語文化学プロジェクト ・第7回シンポジウム「恐怖・嫌悪・欲望とジェンダー」 2014年12月19日
・梨木香歩における老女表象―ジェンダー/エイジング/エスニシティの視座から 日本児童文学会2008年5月例会 2008年5月
・『羅生門』にみるジェロントフォビア(gerontophobia)の系譜 お茶の水女子大学大学院・第2回国際日本学コンソーシアム 2007年12月
・『菊慈童』におけるイマジナリーな領域―エイジング批評と倫理 お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」 第3回F-GENSシンポジウム 2006年11月
書評
・小平麻衣子著『夢見る教養―文系女性のための知的生き方史―』語文 157 66-68 2017年3月
・久米依子『「少女小説」の生成――ジェンダー・ポリティクスの世紀』昭和文学研究 68 131-133 2014年3月
・印象記 パネル発表「フェミニズム文学批評の可能性と課題を考える試み――江種満子さんに聴く――」
・日本近代文学会「会報」 (119) 28-29 2013年9月
・水田宗子『大庭みな子 記憶の文学』 週刊読書人 (7/19) 2013年7月
・江黒清美『「少女」と「老女」の聖域――尾崎翠・野溝七生子・森茉莉を読む』週刊読書人 (11/30) 2012年11月
駒沢大学・研究者紹介ページ
http://researchmap.jp/kuratayoko/より