西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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サンドのフェミニズム:その独創性(試訳3)

2014年08月12日 | サンド・ビオグラフィ

 

 サンドのフェミニズム思想に関し、他の特定のフェミニストたちが問題とし展開したフェミニズム運動のテーマと比較してみよう。サンドは確かに女性の自由、平等と自立を主張した。しかしながら、夫婦それぞれの離婚の権利を要求してはいるものの、結婚制度そのものを問題とはしていない。そこにサンドのフェミニズム思想の独創性があった。

 

 他方、恋人同士の自由な結びつきを批判するようなことはないにしても、サンドは自らの実際の人生でそのことを証明したように、「売春婦が生活の糧を得るために、あるいはクルティザン(高級娼婦)が豪勢な贅沢を手にしたいがためにおこなうことにも似ている」「愛が不在の男女の結合」を厳然と非難している。

 

 このようなサンドの考えは、当時は激しい批判と痛烈な嘲弄の対象とされた。ミュッセでさえ、『白ツグミの物語』の中で、彼女の作品を皮肉を込めて揶揄している。「サンドは、いつも機をとらえては政府を攻撃し、雌の白ツグミたちの女性解放を主張している」と、ミュッセは書いたのだった。

 

 

白ツグミ

ツグミの画像は、非常に充実した次のサイトからお借りしました。

http://miyanooka1.sakura.ne.jp/tsugumi.html

 


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