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遠藤農相の問題についての雑感

2007年09月02日 23時01分20秒 | 政治って?
当初の報道をチラッと見ていたが、これが「絶対辞任せねばならない大問題」ということなのかどうか、私には判らなかった。どうなのかな、と。まあ、疑いを持たれることは褒められたことではないが、今、野党とかが騒いでいるほど「早急に解決せねばならない問題」なのかな?とは思った。遠藤議員という人は全く知らないのだけれども、犯罪行為みたいなのを大臣自身がやったのでしょうか?

Yahooニュース - 産経新聞 - 農水相トップの組合、不正受給 3年前指摘、放置

(記事より一部引用)

農業共済の掛け金は加入農家と国が折半。国の負担分が補助金として共済組合に入り、県連を通じて再び国に納付される形だ。同農済は11年4月、ブドウの被害を補償する共済について、農家261戸分を国側に申請。うち105戸は実在の農家の名前を勝手に使い、当時の担当者2人が掛け金を負担したという。国は補助金約115万円から国への納付分を差し引いた約50万円を支給した。

遠藤農水相は昭和57年12月から同農済の組合長を務め、年間200万円の報酬を受けていた。大臣就任後は役職を休止している。


報道から見た範囲で、問題を大まかに整理すると次のようなことかと思います。
・遠藤さんは昭和57年から組合長
・平成11年、農業共済のブドウ被害補償の共済金を261戸分申請
・うち105戸分は当時の担当者2人が掛金を負担し勝手に申請
・国は申請に基づき約50万円を給付
・平成16年に会計検査院の検査が入り不適切と指摘
・農水省の指示等なく現在まで放置

で、今責められているのは、当時組合長であったのだから「遠藤大臣は辞めるべきだ!」と。
なんで?(笑)

①遠藤組合長が部下に指示して不正受給をさせたか
②遠藤組合長は不正を知っていたのに隠蔽・知らぬふりをしたか
③会計検査院の検査を妨害したのか
④指摘を受けた後に政治的圧力をかけるなど行ったか

これら事項に該当するようなことであったのなら、組合長である本人に大きな問題があったと言えるだろう。そういう行為があった、というような根拠を出して、本人に追及するべきだろう。

ところが、本人の関与が全くないにも関わらず、組織に属する人間が過去に勝手にやったことで、今の「遠藤大臣が責任追及される」というのは何故なのか?これは筋違いというものなのではないか。責められるべきは、当時の農水省担当者であろう。返還させるのは、「行政の責任・仕事」であると思うが。国会議員たちも雁首揃えて、会計検査院の検査報告を国会承認したのであろう?返還させなかったのは農水省の怠慢、ということなのではないのか?

もしも検査院の指摘を受けたのであれば、
ア)農水省は指摘を受けて、不適切な補助金の返還を組合に求めるべき
イ)返還請求権が例えば5年で時効ということなら、8年前の返還請求はできないのでは?
ウ)組合がゴネて返還を拒んだりしたわけでないのなら、組合に問題はないのでは?
エ)組合は、行政上の手続関係を熟知していないのだから、言われなければ返還手続は判らないだろう
オ)組合長が検査院指摘を知ったのがいつなのだろうか?
カ)組合長が5年以上経過した後に知ったのなら、返しようがなかったのでは?

平成11年の受給で、指摘が平成16年ですから、ギリギリですよね。しかも、農水省担当者は返還請求するべきだったのに、請求しなかったのであれば、それは職員の落ち度であって、組合側のせいではないと思う。組合長が個人的に不正受給から不正利得を得ていたとかなら当然大問題だが、組合長が知らないで過ぎていたのであれば、対処のしようがなかったということもあるのではないのかな。イ)の5年時効はどうだか判らないけれども、16年時点で農水省が返還請求して組合側が「返しますから」というような約束をしていたのに、組合側が意図的に返還しなかったのなら時効が延長とかになっているのかもしれませんが(これはよく判りません)、一度も返還請求がないのに時効を過ぎてまで組合側に返還するべき義務はなさそうに思うのだがどうなんでしょうか。

時効になってしまっているものについてまで、現職の議員とか大臣は責任を無限に負わねばならないものなのでしょうか?額も50万円程度という、大したことのない額ですし。いや、そんなことを言うと、血税なんだからと怒られるとは思いますけれども、組合の職員は悪かったと思いますけれども、その事務手続き関係を組合長が全て管理監督でき得るのかと言えば、それは結構難しいんじゃないでしょうか。監督不行き届きだ、組合長に責任があるんだ、と言われりゃ、そうかもしれませんが、そんなに大騒ぎするほどの重大な義務違反なんでしょうか。

そんなことを言うなら、御手洗さんところの「偽装請負」みたいなものの方が、はるかに悪いと思いますけど(笑)。だからと言って、経団連を辞めてもいないし、諮問会議から叩き出されてもいませんよね?


また例で申し訳ないが、考えてみる。

ある大学学長Aがいました。2000年~05年まで学長でした。
この大学で05年に検査院の検査があって、教授Bが00年に文部科学省の研究費100万円を不正に受給していたことが指摘されていました。
その後、学長Aは08年に文部科学大臣に就任しました。すると、05年検査の時点での不正受給があったことと、その研究費を返還していなかったことが判りました。返還請求は文科省からは、一度もなされていませんでした。

すると、こういう時にも当時学長だったAは、今の大臣という職務の辞任を要求されねばならないのでしょうか?学長時代の部下であった人の行った不正受給の責任を、現在の大臣という立場で取らされなければならない、ということでしょうか?当時の学長が責任を取って学長辞任となるのであれば、それはまあ話が判らないではない。けれども、時効が成立してしまっているかもしれないことを、自分がやったことでもないのに責任を負わされるのであれば、一体いつまで過去の責任を問われねばならないのでしょうか?何年くらいなのでしょうか。


こんな問題よりも、小沢さんの秘書の選挙違反事件の方が、もっとはるかに「悪い」としか思えないのです。
このことをもって、遠藤大臣の「罪」(笑)が消えるわけではないでしょうけど。
一応、お尋ねしますと、遠藤組合長にはどのような違法行為があったのか、誰か教えて頂ければと思います。推測では、組合の職員は(略称)「補助金適正化法」違反ということでしょうけれど、組合長が共同正犯みたいなことになっているのでなければ、違法性というものは私には判らないわけですが、どうなんでしょうか。


こんなことで大臣の首がいちいち取られてしまうのは、行き過ぎではないでしょうかね。多くの国民はそんなことを求めてもいないと思いますけれども。もうちょっと落ち着いて考えてみたらいかがかと思われますけど。野党の国会議員の方々も、検査院報告を全部毎年読み返して、返還請求が適切になされているかチェックとかしているのですか?それは行政側の責任でなすべきことであって、行政府の仕事ぶりを監視するべきは、国民の代表者である国会議員さんたちなのではありませんか?そういうことさえ何もやってこなかったクセに、ここぞとばかりに重箱の隅だけ突付くようなマネだけやっているんでは、本末転倒ではないですか?まず検査院報告をくまなく読めよ。とても勉強になりますよ、きっと。

返還してなかったことを見過ごしてきた一因は、議員さんたちみんなにもあるってこと。責任は野党議員も含めて、みんなにもあるってことだよ。


ちょっと追加。

鳩山さんの威勢のよさが出てるな。調子に乗ってる様子がよく判る。

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「疑わしき人間には厳しくすると言っており、どう判断するか見ていく」って、お前ら青木参議員や友近参議員は「疑わしき人間」ではないってか?(笑)
現実に公職選挙法違反で逮捕者が出ているってのに、身内にはお咎めなし、説明責任もなし、ってか?おいおい、どの口でそんなことを言えるんだっての。違法行為の方が、はるかに問題だろ、っての。オカシイですよ、明らかに。「身体検査をちゃんとやったのか」って、それはあなた方の方ではないですか?(笑)