ここのところ手にした短歌関係の散文書物のなかで、いちばんに挙げたいぐらいに心に響いている二冊がこれらです。尾崎左永子『佐太郎秀歌私見』角川学芸出版、塚本青史『わが父塚本邦雄』白水社。短歌ではなくて詩集だったら、一冊挙げるのはなんといっても『大岡信全詩集』思潮社。とかなんとか書きつつ、久々の休みの今日、入谷の昼飯へ帯同しようと考えているのは、なんとなく上田三四二『短歌一生』講談社学術文庫。再読です。
日本人ピアニストの演奏でいまいちばん惹かれているのは萩原麻未さんの演奏です。藤岡幸夫氏指揮の関西フィルをバックにショパン作曲『ピアノ協奏曲第1番』を弾かれた演奏が先日ラジオから流れていました。体調など調子が今一つだったのかミスタッチが多く聴かれましたが、そうではあっても、萩原さんのピアノの音色には他の追随を許さない独特の魅力があるように感じます。それが〈本物の凄さ〉というものなのかもしれません。