短歌メモから。
熱波に歪む慶喜卿の筆跡 汗にじむ日本橋河岸に貼り紙揺れて
〈招集事務所は閉鎖しました〉とふ青き紙 トタン小屋入口にペタリ貼られて
青き船も日本橋河岸にその姿なし 旧繋留口塞ぐ真新しき青色フェンス
青き紙の電話番号に掛けてみるも〈現在使はれてをらず〉の声流るるばかり
近くのビアホールに座りてひとり溜息吐けば顔なじみの店員がこそりと紙渡し来る
紙は青 折られたるを開けば我が名あり 〈お久しぶりです〉とふトルストイ女史の字
懐かしさに胸ぐつと詰まる トルストイ女史も妹も結局政府に捨てられたといふ
店員がこそりと傍らに来る 〈裏口にいま車が来てゐます〉
〈車!?〉と訊き返す 〈もしも希望されれば事務所にご案内します〉
トルストイ女史も妹も新しき仲間もそこに居るらし 車に乗つた
熱波に歪む慶喜卿の筆跡 汗にじむ日本橋河岸に貼り紙揺れて
〈招集事務所は閉鎖しました〉とふ青き紙 トタン小屋入口にペタリ貼られて
青き船も日本橋河岸にその姿なし 旧繋留口塞ぐ真新しき青色フェンス
青き紙の電話番号に掛けてみるも〈現在使はれてをらず〉の声流るるばかり
近くのビアホールに座りてひとり溜息吐けば顔なじみの店員がこそりと紙渡し来る
紙は青 折られたるを開けば我が名あり 〈お久しぶりです〉とふトルストイ女史の字
懐かしさに胸ぐつと詰まる トルストイ女史も妹も結局政府に捨てられたといふ
店員がこそりと傍らに来る 〈裏口にいま車が来てゐます〉
〈車!?〉と訊き返す 〈もしも希望されれば事務所にご案内します〉
トルストイ女史も妹も新しき仲間もそこに居るらし 車に乗つた