カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

1996年2月20日。

2022-02-20 21:11:51 | Weblog

1996年2月20日に作曲家武満徹さんが亡くなられた。この日は火曜日だった。その前日の2月19日(月)、大雪が降って奥さまも誰もお見舞いに訪れることができなかったため、武満さんは病室で一人静かにラジオを聴いたり本を読んだりされていたらしい。そんななか、偶然にも、NHK-FM放送からバッハの「マタイ受難曲」全曲が流れ始めた。「マタイ受難曲」は、武満さんが平生から特別な思いで愛聴愛奏されていた曲だったので、武満さんはこの放送を〈病床の自分への神の恩寵〉と受け止め、深い感動とともにしみじみ聴かれたという。その翌日、病室へ来られた奥さまに、武満さんはしみじみと深い感動をもってその「マタイ受難曲」を聴かれた話をなさったのだという。

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バーバーのヴァイオリン協奏曲。

2022-02-20 07:06:40 | Weblog

夢から覚めた寝床で、先日のラジオ放送から録音した金川真弓さんのヴァイオリン独奏、尾高さん指揮NHK交響楽団の演奏による、バーバー作曲『ヴァイオリン協奏曲』を再生し、しんみり耳を傾けた。バーバーのこのコンチェルトは、つい先年、神尾真由子さんのヴァイオリン独奏、原田さん指揮NHK交響楽団でも演奏されていて、これもラジオ放送で聴いてすこぶる感動したものだったが、今回もまことに素晴らしかった。金川さんのヴァイオリンの、やわらかでこの上なく自在で美しい歌いぶりから、なんとなく、ドイツ語の〈Sehnsucht〉([ゼーンズフト] [女] (―/..süchte) ([英] longing) ⸨nach j-et3⸩ (…への)あこがれ, 思慕; 郷愁.)を思い出した。おかげさまでまことに心の洗われるひとときになった。

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