夢を見た。まとまったお金が必要になった叔母が、手持ちの邦人作曲家の貴重な管弦楽やら室内楽やらのスコアのコレクションを小分けにして売ることに決めて、今日がその売り出し日だと聞き、あわてて叔母の家へ出掛けた。叔母の家には既にそれらスコアを買い求めたい希望者があまた来ていて、相当に込み合っていた。松村禎三先生のスコアコレクションが積まれている隣りに、ページのえらく分厚い〈交響曲『黎明』〉と表紙にタイトルされたスコアがでんとあった。何故だかそこには亡き父も来ていて、僕に〈黎明シンフォニーのスコアがどうしても欲しいんだがな〉と呟いたので、僕がそれに手を伸ばしたら、途端にたくさんの手が一斉に伸びてきた。。という夢だった。
昨晩は仕事から戻って来て早々に休んだが、目が覚めたタイミングで、そういえば昨日のたまむすび水曜日の博多大吉先生代役はどなたがなさったのだろうと気になって、たまむすびのtwitterを覗くと、ブルボン小林先生(これは長嶋有先生の別名義)が代役を務められたとわかって、何かしらほっとしつつ、ついでに、たまむすび火曜日のいつも楽しみにしているアメリカ文化や映画作品への評論コーナーレギュラーの町山智浩先生が〈映画評論からの引退〉を宣言なさったことも知って、ぐわんと衝撃を受けた。その頗る強烈な衝撃ゆえか、胸奥で唐突にブルッフの『コル・ニドライ』が流れ出した。それは、いまでは指揮者に転向されてしまったハンナ・チャンさんが少女時代に天才チェリストとしてご活躍当時、ロストロポーヴィチさん指揮ロンドン交響楽団と共演されて録音した『コル・ニドライ』の音楽。自分のなかでは、『コル・ニドライ』といえばこれしかない。まことに白眉の演奏。そのまま、また目を瞑った。