カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

推敲8首。

2018-06-23 07:10:00 | Weblog

推敲8首。

そのまひる煙ゆらゆらのぼりゆく ベッドは既に片付けられて

まひるまの明かるき硝子に映りたる天のぼる煙はひとの影なり

星硝子店から“木星(ジュピター)”のかけらが届きたり女神がやはらかく笑まふる朝に

休日のヨハネス・ブラームス右足の親指かそかに動かしたるのみ

本当はオペラも書きてみたかりきと徹とヨハネスは公園にしみじみ

〈姿〉とふ文字に「かたち」とルビを振るその夜もどこかで星は流れて

星硝子店の木星かけら届きたるその朝冬が戸口に立てり

沈黙の果てなる野辺の石くれに死者らは右手を重ね合ひたり

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする