コンサート二題。その2。
(先日12月24日府中の森芸術劇場・ウィーンホールで開かれた東京藝大・澤和樹先生門下生の方たちによるクリスマスコンサートのことと、昨日(12月27日)かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホールで催された下野竜也指揮・読売日本交響楽団による「かつしか第九演奏会」のこと。)
***
つぎに、昨夜の下野さん指揮の読売日本交響楽団による「第九」のコンサートのことから。
プログラムは以下のとおりでした。
・モーツァルト作曲・歌劇「後宮からの誘拐」序曲 K.384
・ベートーヴェン作曲・交響曲第九番ニ短調 Op.125「合唱付き」
指揮:下野竜也
コンサートマスター:藤原浜雄
管弦楽:読売日本交響楽団
ソプラノ:國光ともこ
メゾソプラノ:坂本朱
テノール:中鉢聡
バリトン:宮本溢光
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
モーツァルトの序曲もよかったですが圧巻はやはりベートーヴェンでした。
下野さんの迷いのない的確なバトンコントロールの下、オーケストラも合唱団も爽快でドライブ感に満ちた演奏をされていました。
テンポはやや速めだったかもしれません。
とくに私が「お」と思ったのは、第四楽章、916小節目からのところでした。譜面上では「Maestoso(四分音符=60)」と書かれていて、大抵は、それまでよりも明らかにテンポを落として演奏するケースが多いと思うのですが、下野さんはほとんどテンポを落とすことなく、一気にコーダへ。緊張感を保ったまま、爽快なドライブ感を持続したまま最後の音まで鮮やかに推進していかれました。このようなすごい第九の演奏は、これまで聴いたことがなかったです。びっくりしたと同時にすごく感動しました。有り触れた表現ながら、昨晩、時間ができてかつしかまで聴きに行かれたことを思わず神(!?)に感謝しました。演奏された皆様、有難うございました。